初等・中等教育でフランス語教育を拡大する案を「検討」している「会議」の様子。 |
前回のブログで
仕事が楽しくて仕方ないと書いた矢先、
それを試すかの様な状況が発生しました。
何かというと、昨日教育省で
初等教育の教育課程に関する重要 会議が
あるというので行ってみると、
それはギニア・ビサウの初等・中等教育における
フランス語教育の拡大案に関してでした。
その案を見てギョッとしまし た。
だって、フランス語を必修科目として
小学5年生から導入するというんだもの。
ここでは国語は一応ポルトガル語ですが、
一般市民の殆どはポルトガル語以外の現地語を
日常生活で使っています。
従って、子ども達の大半は小学校に入学して
初めてポルトガル語を習うと同時に、
その習ったばかりのポルトガル語で
算 数や理科など他の教科も
学習しなければいけないので、
ポルトガル語という教授言語が
子ども達の習熟度に大きな障害と
なってしまっています。
にも関わらず、 それに加え
更にフランス語まで習わされるとは・・・。
しかもただでさえ先生の数や授業日数が
足りない現状に反し、
それを更にフランス語教育に割り当てる事 で、
必修科目担当の先生や授業時間が
更に減ってしまうのは目に見えています。
これではあまりに子ども達が可哀そうなので
反対意見しようとタイミングを伺っていると、
どうやら会議の風向きが「話し合い」というより
「説得」の様相を帯 びてきました。
どうやら「会議」と言うのはあくまでも名目で、
これは既に政治的に決められた事を
公式に教育分野の関係者に認めさせる為の
「儀式」に過ぎな い模様。
確かにギニア・ビサウは周りをグルリと
仏語圏に囲まれた(カボベルデと唯二の)
ポル語国として不便・窮屈な思いをしているし、
政治・経済的に西ア フリカ圏で
更に認められるには
仏語が必須なのは想像できますが、
それを子ども達の教育に課す事によって示すとは、
子ども達の未来が切り札にされたみたいで
納得いきません。
ちなみにこの政治的決断には
フランスが後ろ手を引いている様で、
フランス大使館員が上座の大臣の横を陣取っていて、
一国でも仏語圏国を増 やしたい魂胆が見え見えで、
まるで植民地取り合いの時代が再来したかの様。
この展開にあまりにいたたまれなくなり、
私は会議を途中で抜けてきましたが、
それ以来自らの将来を左右する教育を
政治の道具として弄ばれている
子ども達が可哀そうで、
ずっと悔しい思いが拭いきれません。
その翌日、今度は地方出張の際に
州の教育視察官達の集まりに参加しました。
この国には120人の教育視察官が、
全国の約1400の小学校の
教育状況・水準 を視察・指導して
回らなければいけない筈が、
特に村落部では公共交通手段がない為、
炎天下に数十キロ離れた学校間を
移動する困難さから、
この視察のシステ ムは
殆ど機能していませんでした。
そこで、私の所属機関が
全国の視察官達に
視察用のバイクを供給する支援を
今年上旬に行いました。
これは大ヒットで教育視 察官達は大喜び!
「これでやっと今まで遠くて
一度も訪れる事が出来なかった学校にも
視察に行ける!ありがとう!」と
供与した後しばらくは出張に行く度に
やる気満々の顔で感謝され、
こちらも嬉しくなりました。
しかし今回参加した集まりでは、
そのバイクが話題に上がると
「バイクがあってもガソリンがなきゃ、
視 察に行けない」と
視察ができない言い訳が
今度はガソリンが足りない事に対する不満に
化けて吹き出て来ました・・・。
「一体どこまで提供すれば気が済む の?」と
ややゲンナリして来つつ、
持続性の視点から
給与やガソリン等の維持経費は
国の予算から支払われるべきで、
援助団体が請負ってはいけない由を
力説して来たのですが、納得したかどうか・・・。
このお仕事は遣り甲斐溢れ最高な日もあれば、
今回みたいにがっかりさせられる日もあり、
浮き沈みが激しいんだよな~、
とこれを書きながら思いました。
でも、それはきっとどんなお仕事でもそうなのでしょう。
だから、この「がっかりモード」を
どうやってポジティブに変えていけるかで、
その後どれだけ自分が遣 り甲斐を感じれるかに
差が出てくるのかも知れません。
そう信じて、明日からはポジティブ思考心がけるべし。
(<=と自分に言い聞かせてる・・・)
0 件のコメント:
コメントを投稿