2023年10月22日日曜日

初のコンゴ民主共和国出張         (朋子さんのブログから)

   
     セネガルに赴任して1ヶ月ちょっとが経った9月中旬、
     漸く新居も落ち着き仕事にも慣れて来て
     「これからエンジンかけて行くぞ~」と思っていた矢先、
     「コンゴ民主共和国の東部の政情不安定な地域で学校が閉鎖されていて
     教育の人道支援が必要。NY本部から教育局長が現地視察に行くから
     同行せよ」という出張命令が。
     ジュリアが生まれて以来これまでの出張は、ジュリアを一人で
     置いてけぼりの時間をできるだけ最小限にすべく、
     大体2-3日で長くても4-5日でしたが、
     今回は旅行時間も長いのもあり、これまでの倍の9日間…。
     まだ赴任して間もなく、ジュリアが気軽に泊まりにいける
     お友達もいないので、「留守の間、ジュリアをどうしよう?!」
     「あ、それにロビン(新入りペット犬)もどうしよう?!」と
     半パニック状態。

     はじめはダカールの反対側に住んでいる親友宅に
     預かって貰おうと思いましたが、そうすると
     学校までとても遠くなり通うのが大変で無理。
     結局、お手伝いさんに不在の間泊まって貰う事にしました。
     まだあまり慣れていないので、事前に9日分のスケジュールを
     時間単位で組み出発前に綿密に説明して、
     更に出張の間にビデオ電話できる様に彼女の携帯にWhatsup
     (日本でいうLINE)を設置して、いざ何かあった時の為の
     連絡先や指示も残して、胸が割かれる様な思いで空港に迎いました。

ゴマ国際空港

     行きはコンゴ民東部のゴマに入るため、
     1.5日掛けてエチオピア・アディス経由の旅。
     「コンゴは初めてだし、ボロが出たら大変」と緊張しつつ、
     アディス行きの10時間以上のフライトでは
     一生懸命に資料を復習しました。
     そして乗り換えのアディスではNYから来た教育局長と
     落ち合ったのですが、現場視察の出張日程やコンゴの政情や
     私が担当する地域での教育事情などを早速質問攻めにされて、
     本格的に出張が始まる前から私はもうタジタジ。
     「この出張を最後まで、無事に全うできるかしら…」と
     不安な気持ちにめげそうになりながらも、
     「今自分に自信が持てなくても、これまで私を信頼して
     評価してくれた人達に応えるべく、頑張ろう!」と
     自分で自分を励ましながら、いざゴマの空港に降り立ちました。


     コンゴ民主共和国は国土は世界11位で人口も日本と大差ない世界14位で、
     更に鉱山資源が豊富でプラチナやマンガンは世界1位。
     その他に金、銀、銅、コバルト、ダイヤモンド、ウラン、ボーキサイト、
     鉄鉱石などが埋蔵される世界有数の鉱産資源国。
     しかし同時にこれらの資源を巡ってか争いが絶えず、
     この土地では独立後も政情不安定は続いています。
     特に東北部のキヴ州では反政府武装組織がこれらの鉱物を資金源と
     している為もあり、今日に至るまで紛争が後を絶ちません。
     結果、こんなに鉱山資源が豊富でもその恩恵を受けているのは
     支配層の限られた一部のみで、国全体の人間開発指数は191カ国中179位。
     まさに富という呪いにかかってしまった感じです。


     そういう暗い噂を聞いていたので、恐る恐る訪れてみると、
     人は明るく町も賑やかで、やや拍子抜け。
     ただ道路に穴が空いていたりとインフラが整っていず、
     そのせいと交通ルールを守らない運転手が多いのとで、
     渋滞のひどさにびっくり。
     これに比べるとダカールの渋滞は可愛いものでした。😅


     そこで到着当日は安全管理ブリーフィングと知事との会見に参加した後、
     翌日は防弾車に乗って反政府武装組織が支配する地域に迎いました。
     舗装されていないボコボコの道に所々軍隊がパトロールしている横を
     通ってゴマから2時間位北上するとセキュリティーのチェックポイントが
     あり、そこを越した向こう側は反政府武装組織が支配している地域。


     どんなに荒れ果てた様子かと思ったら、
     どちらかと言うと普通のアフリカ村落部の風景。
     唯一違うのは路上で所々パトロールしているのが、
     政府の軍人ではなくて反政府武装組織の軍人という所。
     それもブーツの色が違うから何とか違いが分かる程度。



     そしてゴマから3時間位してやっと辿り着いた目的地は政府と反政府
     武装組織の紛争のせいで学校が1年以上閉鎖されているという地域。
     そこで幾つかの学校を訪れてみると、何と校長と先生達と父母会が
     自らの判断で最近学校を再開しており、
     「去年閉校されたせいで、子ども達も苦しんだし、
     望まない妊娠が増えて我々も困った。
     だから、今年は何としても学校を再開しようと決めたんだ。」と
     決意の過程と心境を校長や父母会長が打ち明けてくれました。


     子ども達も嬉しそうに登校して来ていて、
     「もう閉校しないで我々が勉強できる様に支えて下さい」と
     訴えてきました。こういう状況でこそ私が所属する団体が
     役に立てるので、久々にやる気が奮い起てられました!


     そしてゴマに戻り、ゴマの教育担当長に現場で目撃した状況を報告。
     すると始めは半信半疑だった担当長さんも
     「子ども達の最善を考えて支援して欲しい」と言ってくれ、
     我々の出張をきっかけに状況が進展しました!


     これ以外にもこれらの紛争地から逃げて来た避難民のキャンプに
     おける教育現場を訪問したり、その後首都キンシャサに行って、
     教育チームに会ってこれからの活動方針について話し合ったりして、
     最後まで充実した出張でした♪始めはあんなに不安で嫌々だったけど、
     結果的には学びも多く一回り成長できた貴重な機会となりました。
     ちなみにキンシャサは高級ホテルに高級車が乗り付け着飾った
     お金持ちっぽい人達が集っていたりして、
     ゴマの村落部との貧富の差を目の当たりにしたり、
     キンシャサの川を挟んだ向こう側にはフランス領となった
     ブラザビルのビル群が見えて、でも国交問題のせいか橋は通行止めに
     なっている状況に疑問を感じました。

     一方、ジュリアは始めの数日は夜テレビ電話で話す度に涙ぐまれて、
     私も申し訳なさにくじけそうになりましたが、
     4日目位からお手伝いさんとも打ち解けたせいか、
     そんなに寂しそうでもなくなり、ひとまずホッ。
     不安でも勇気を出してやってみれば何とかなるもんですね。
    
     という訳で、「ピンチはチャンスにもなりうる!」
     と実感したコンゴ民出張でした。 

2023年10月15日日曜日

午後のおやつの会

     チャリティーランチがなかなか再開できないので、
     まずは手始めとして子供たちも参加できる「午後のおやつの会」を
     はじめてみました。

     最初は子供たちも遊べるTerra Nova Rural Park を予定。
     が天候不順で晴れるかどうか分からないということで我が家で開催。
        
     参加者 しほこさん、宗一郎くん、裕子さん、メイちゃん、
     宗助くん、雅子さん、リコちゃん、アキさん、ワイアット、
     コールと私。大人6人、子供5人です。


     今回は皆さんのご協力もあっておやつが沢山用意されました。
     その上奈保美さんからの差し入れもあり。
     ほんと!次から次へと色々なおやつが出て美味しかったです!


     皆んなでおやつを食べた後、天気も良いのでダイクを散歩。


     コウちゃんが先頭で湿地帯に入って行ったので、皆んなも湿地帯へ。


     湿地帯に入ってすぐに赤いキノコを発見!
     子供たちは皆んなこの赤いキノコに興味津々!
     これはベニテングタケ。毒キノコです。
     食用のタマゴタケに似ているので、間違えて食べると
     腹痛や下痢、吐き気などが起こり、最悪の場合は死に至ります。
     この写真は宗一郎くんが撮ってくれました。


     これがタマゴタケ。ヨーロッパに産する食用キノコで
     その美味しさから「皇帝のキノコ」の異名まであるほど。

左がベニテングタケ、右がタマゴタケ

     この2つのキノコ、傘が開いていない時は特によく似ているので要注意!
     違いはキノコの軸となる部分が
     ベニテングタケは白、タマゴタケは黄色です。
     まあタマゴタケはこの近くには生息していないので、
     赤いキノコを見たら毒キノコとして触らない方が良さそう。
     ただ形が童話に出てくるような可愛さなので、
     ヨーロッパでは幸福を呼ぶ象徴として人気があるそうです。
     

     この湿地帯には私たちの目にはなかなか見えないけど、
     よく目を凝らしてみると、多種多様な生物が住んでいます。
     季節季節で色々な鳥が来るし、動物、植物、菌類など。
     コヨーテも時々姿を現します。。
     それらが直接的間接的に繋がり支え合い、壮大な命の循環を
     作り上げているいるばかりではなく、
     温室効果ガスを安定化させ、気候変動の影響を軽減するのに
     重要な役割を担っているそうです。
     



     湿地帯の中で、小屋を作っている青年がいました。
     顔を見るとまだ高校生ぐらいかな?って思うほど若い子でした。
     近くにテントがあるので、そこに住んでいるのかもしれません。


     こんなトーテンポールみたいな物も作られていました。




     細い丸太を伝わってこんな木の上まで登ってしまう
     メイちゃんの平衡感覚素晴らしかったです!





     こういう流木の上を伝わって歩くのも子供たちは大好き!

      
     ダイクから戻った後は子供たちは全員で
     アニメの「名探偵コナン」を楽しみ、
     私たち大人はおやつをつまみながら、お喋り!
     裕子ちゃんの体験による日本の老人介護とこちらの介護の実態の
     話が面白く、また考えさせられました。

     今回初めてやったこの「午後のおやつの会」、
     年齢を超えてやる難しさと楽しさをが入り混じって、
     どうしたら全員が楽しめる会にするか、今後の課題です。
     年齢も性別も超えてみんなが楽しく、リラックス出来て、
     なおかつ色々な知恵が集まる場所にするにはどうしたら良いか
     これからも知恵を絞っていきたいです。



2023年10月14日土曜日

Burnaby Moutain 102回トランスリンクの旅

     この小さな旅の計画一つ取っても、
     思い通りにいかないことが多々あります。
     今回も目的のレストランが予約出来なかったため、
     目的地をBurnaby Mountain に変更せざるをえなかったし、
     天気もその日はずっと雨の予報。
     雨の中Burnaby Mountain を散策するなんてと想像しては
     気持ちが少し落ち込んだりしましたが、
     やはりこのトランスリンクの旅はついていました。

     当日はなんと予想を裏切って晴れてくれたのです。
     
     参加者9名
      9:59 Brighouse Station @ Bay 3
           リッチモンドの人はバス停で集合
           Bus 430 Metrotown 行きに乗車
     10:48 Metrotown Station @ Bay 1 下車
     11:02 Metrotown Station @ Bay 14
           ミツコさんと合流。
           Bus 144 SFU 行きに乗車
     11:47 SFU Transit Exchange Bay3下車

     ここで降りたのが大間違い。
     山頂にあるレストランに行くには一つ手前のSFU Transpotation Centre 
     で降りるべきでした。
     きちんと調べておかなかった私のおかげで終点まで来てしまって。
     降りたところは前回来た所とは全く別の場所。
     レストランへの行き方が分からず、一時は途方に暮れましたけど、、、
  

     こういう時頼りになるのが和子さん。     
     Google Map を駆使しながら私たちを誘導してくれて。
     ほんと〜!心強かった!
     

     紅葉した落ち葉。もうすっかり秋の景色です。


     SFUの建物

    この池の中の道を通って反対側に。


     この小道を抜けると山の頂上に。


     やっと山頂!レストランも見えてきました。
     やれやれです!



     30分以上も遅れてレストランMintara on Burnaby Moutain に無事到着。
  

     15分以上遅れたら予約はキャンセルと脅かされていたので、
     レストランで待ち合わせしていたマサさんご夫妻に
     遅れる旨を伝えてもらったりとヒャ汗ものでしたが、
     中に入ったらお客は誰もいなくて、貸切状態でした。


     9人席は作らないとレストラン側は言っていたのに、
     着いたらちゃんと9人の席が出来ていました。


     今回の旅の新しいメンバーアンさんとジョンさん。
     アンさんはチャリティーランチの英語のクラスに参加して
     くれていたメンバーです。
     日本語も勉強しているので、すぐに皆さんと打ち解けていました。





     料理も美味しく、景色も最高なので、ついつい長居。
     気がついた時はもう2時少し過ぎていて、
     慌てて会計をしてもらったのですが、
     ここの会計がイライラするほど遅くて、
     ここでも無駄に時間が過ぎてしまいました。


     もうバラ園は見に行く時間がないとほとんどの人が諦めた中で、
     雅子さん一人が見に行って写真を撮ってきてくれました。
        

     このかぼちゃの馬車の写真も雅子さんが撮ってきてくれました。


     Burnaby Mountain Park の中にアイヌのトーテンポールがある
     Kushiro Park があります。
     ここが素晴らしい!
     自然と人間が作ったトーテンポールが一体化して
     素晴らしい景観を作り出しています。
.

     これはアイヌ民族の彫刻家床ヌブリ氏の50本以上の
     トーテンポールが立ち並んだカムイミンタラ(神々の遊び場)です。

     そことなく独特の雰囲気が醸し出されていて、
     周囲に聖と俗を分つ結界が張り巡らされた
     まさに聖なる領域といった感じで、
     ユーカラの世界が雄大な景色の中に見事に溶け込んでいました。






     この後帰りのバスの時間も迫っていたので、ここでマサさんご夫婦と別れ
     Centenial way をどんどん降りていってバス停へ。



     秋は世界を華やかな色に染め、あっという間に消えてしまう。
     そんな秋を見たくてやって来た今回の旅。
     まだ初秋のせいか、木々は緑が多かったけれど、
     それでもバスの窓から、レストランに行く途中、山の頂上から
     沢山の秋を見つけました。
     慌ただしい日常から離れ、こういう自然の中に身を置いて、
     気持ちも体もリフレッシュさせるって大切ですね。

     今回はせっかく晴れたのに、時間的に余裕がなく、
     皆さんを急かせてしまって申し訳なかったと後悔しています。
     もっと秋が深まった頃もう一度ゆっくりと出直し、
     秋を身体いっぱい味わいたいですね。
     
     和子さんが私たちの旅を素敵な動画にしてくれました。