2026年3月31日火曜日

2026年はマプトでの幕開け、        そしてナイロビへの赴任準備

2026年3月26日木曜日

リッチモンドで桜のお花見         132回トランスリンクの旅

  日本で初めて桜のお花見が行われたのは、平安時代の嵯峨天皇の頃
 らしいです。それ以降天皇主催のお花見が恒例化することにより、
 このお花見文化が貴族から庶民へと広がり、鎌倉時代には桜の下で
 宴会を楽しむスタイルも出来ていたそうです。この頃から桜が日本
 人にとって、特別な花となっていったんですね。

 そんな昔からのお花見の風習が、脈々と今の私達にまで受け継がれ
 て来ているのか、桜が開花したと聞くと、すぐ見に行きたくなっ
 て.....というわけで今回のトランスリンクの旅は「桜のお花見」です。

 参加者7名


 まずはランチからスタート。今回は「Pho Ten」レストランでベトナ
 ム料理を楽しみました。このレストラン、美味しいし、量が多い上お
 値段も割安で、お勧めのお店です。

 ランチが終わって、これから桜のお花見です。
 このRichmond にも桜の名所となっている所があちこちにあり、今満
 開になっている桜は「アケボノ」という種類の桜です。
 このアケボノはソメイヨシノが寒さに弱い為、1925年にカリフォルニ
 アの苗園で改良されて作られた品種で、バンクーバーの桜は殆どこの
 種類です。寒さにも病気にも強いこのアケボノは、今や日本でもどん
 どんソメイヨシノにとって代わっているそうです。
 

 最初に見に行ったのが、Wiliam Road の桜の並木です。
 桜の幹を見ると、幹に直接花が咲いていてびっくりしました。
 このように桜の幹に、直接花が咲く現象のことを胴吹き桜(どうぶき
 桜)と呼ぶそうです。これは老木に良く見られるそうで、幹から直接
 花が咲いているように見えるけど、実際には不定枝という短い枝に
 花芽がついて、開花する現象なのだそう。凄く可愛らしかったです。


 次に行ったのが、No.1 Road の桜並木。ここの桜並木素晴らしかった
 です。



 No.1 Road から歩いてWestminster Hwy 沿いのTown House の広い敷
 地内へ。細い通路にびっしり植えられた桜が満開で、それは見事で
 した。


 この桜並木の素晴らしさ、見てください!
 ここで桜を充分満喫した後、Steveston の Gerry Point Park へ。


 Garry Point Park は平日なのに、桜を見に来る人たちでいっぱいでし
 た。ここでティータイム。海からの風が結構冷たかったです。


 Garry Point の桜の開花がちょっと遅れているって聞いていたのに......
 来てみたらちょうど満開でした。ラッキー!


 今満開のこの桜は、和歌山県とRichmondの姉妹提携35周年を記念
 して、和歌山県から寄贈されたアケボノ桜です。
 2000年から10年間に渡って植えられ全部で255本に。
 それが一斉に満開になっているのだから素晴らしかったです!


 マサさんご夫妻と公園でお別れしてから、体が冷え切ってしまったの
 で、私達は近くのインドレストランへ。チャイティーで身体も温まり
 楽しい話で盛り上がって今回の旅も無事終了しました。

 バンクーバーの桜は、日照時間の長さと冷涼な気候により、早く咲
 比較的長く見頃が続きます。毎年3月中旬から5月中旬まで様々な種類
 の桜がリレー形式で開花し、街をピンクに彩り、長い間私達を楽しま
 せてくれます。「アケボノ」の次は八重桜なので、時間があったらこ
 の桜も見に行たいですね。



2026年3月15日日曜日

15回 おやつの会

     参加者9名
 今回も美味しそうなおやつがたっぷり!

    今月の映画は1947年に公開されたレイモン・モーリス・ラディゲ原作
 「肉体の悪魔」。クロード・オータン=ララ監督、ジェラール・
 フィリップ、ミシュリーヌ・プレール主演の映画で、幸子さんが特別
 に日本で探し求めて来てくれた作品です。


 それぞれのお皿に分けた後映画が始まりました。
 題名が凄いので、どんな内容になるやら....ちょっとドキドキでした
 ね。


 映画は、人々が終戦の喜びで沸き立っている中、主人公フランソワ
 (ジェラール・フィリップ)が、愛した女性マルト(ミシュリーヌ・
 プレール)のお棺が、教会へ運ばれるのを、遠くから見守っている
 シーンから始まります。その後フランソワは、彼女と愛し合った部屋
 を訪ね、鏡を見つめながらマルトとの出会いを回想する形で物語が進
 んで行きます。


 時は第一次大戦下、フランソワの通う高校に臨時陸軍病院が併設さ
 れ、そこで見習い看護師として働いていたマルトと知り合います。
 19歳のマルトには出征中の婚約者がいますが、彼女は17歳のフラン
 ソワの情熱に惹かれ、2人は愛し合うようになります。


 マルトに「今夜10時に桟橋で待っている」と告られるのですが、彼女
 が婚約者と一緒に部屋にいるのを見た彼は、彼女への愛と嫉妬心で
 のうと決意し、父親の部屋からピストルを持ち出すのですが.... 
 事情を知った父親の対応が素晴らしかったです。感情的に息子
 を叱責するのではなく、息子を思いやるが故に、静かに忠告を与え、
 見守る姿勢を示します。
 彼女の待っているところには行かない、別れるのだと言い張る息子を
 強引に桟橋まで連れて行きます。約束の時間に1時間遅れて着いた2人
 は、彼女がまだ暗闇の中彼を待ち続けている姿を見付けます。
 これを見て「女に冷たくされると後を追いたくなるが、愛されている
 と簡単に別れられる」と父親が言うのです。流石恋愛至上主義のフラ
 ンス人の言葉です。一旦は父の忠告を受け入れるのですが.....


 場面は現在に戻り教会に来たフランソワが、マルトのお葬式を見守り
 ながら、終わりを告げたと思った2人の仲が、再び燃え上がって行っ
 た経過を切なく思い出して行きます。彼の目の演技真に迫っています
 ね。
 

 マルトはフランソワを諦めて結婚し、フランソワは学校に戻ったので
 すが、学校とマルトの勤めている病院は同じ敷地内なので、2人は再
 会してしまう。そして再び恋が激しく燃え上がるのです。


 夫が戦地に行っている間、2人は人目も憚らず恋に溺れていき、遂に
 マルトが妊娠。父親になったことを喜ぶフランソワですが、現実の
 重さの前でたじろいてしまう。彼女に対して何も出来ないでいる間に
 戦争終結のニュース!もうすぐ夫が帰ってきてしまいます。
 
 身重の体でウイスキーをあおり、重体になったマルトは母親と共に
 病院へ。そして帰還した夫の手を握りながら、フランソワの名前を呼
 び子供を残して亡くなります。彼女がフランソワの名前を呼んだ時、
 傍にいたマルトの母が「子供の名前はフランソワよ」と誤魔化す場面
 が良いですね。これで生まれた子供も安泰って思いました。
 
 部屋の暖炉の火が消えて行く事によって、マルトの生命の灯が消えた
 ことが暗示されます


 マルトの出棺を見送りながら、現実に立ちすくみ、愛していると言い
 続けながら、片方で彼女を裏切り続けたことで、後悔と絶望に苛まさ
 れながら立ちすくむフランソワ。

肉体の悪魔を執筆している時に書かれたラディゲの肖像画

 この物語は、原作者ラディゲが14歳の時、すでに婚約者のいた当時23
 歳だったアリと出会い、禁断の恋に落ちた実体験がベースになって
 いるそうです。アリスの婚約者もちょうど出征中だったんです。
 結果としてラディゲは不勉強と不登校のため学校を退学処分に。

 15歳で学業を中断し、ジャーナリズムに挑戦するとともに、パリの文
 学界や芸術界に出入りし、そこでたちまち名を馳せるようになり、後
 に師であり恋人となるジャン・コクトーを始めピカソやモディリアー
 ニー等と知り合いになるのですから凄いです。

 「肉体の悪魔」はラディゲが16歳の時に書き始め、18歳で完成させ、
 19歳で出版され、ベストセラーになっています。
 しかしこの本の出版後、モデルになったアリスは、子供の父親を含め
 生涯夫に疑われ続けることになったようです。
 20歳で早逝したラディゲ自身も、死の直前自分の小説が原因で彼女
 を苦境に陥れてしまったことに対し、罪悪感と恐怖を感じていたと伝
 えられています。

 映画の中でフランソワと両親との関係が時々出てきますが、息子と
 関り合うのはいつも父親なんです。この関係ってラディゲ自身の両親
 との関係なのではないか調べてみたら.....
 ラディゲはいつも母親の近況を尋ねられると、「知らない。母の顔を
 見たことないがない。いつも俯いて兄妹姉妹の靴紐を結んでいるから
 だ」と答えたそうで、母親の存在は彼にとってとてもさかったよう
 です。それに比べてラディゲは人生において父親からとても大きな影
 響を与えられています。ラディゲの父親の息子に対する寛容さと、あ
 る種のライバル意識が入り混じった態度が、「肉体の悪魔」における
 父子関係に投影されていたんですね。

 ジェラール・フィリップは、この映画のオファーを受けた時24歳だっ
 たので、17歳の役に躊躇したようです。とても繊細な感じに演じてい
 ましたけど、やはり17歳にはちょっと無理があると言うのが皆さんの
 意見でした。


 映画を観終わってからのおしゃべりも楽しかったです!




2026年2月17日火曜日

「Mar & Tone Foundation」に送金した後ミカエラさんと朋子さんに送った手紙

   Dear Micaela and Tomoko 

 お元気ですか?今日ようやくミカエラさんの「Mar & Tone
  Foundation」に寄付金を贈ることができました。
 この寄付金はチャリティーランチのメンバーのサポートもあって、
 2023年から積み立てたものです。
 それで協力してくださったメンバーを紹介させてください。
 寄付金を集める活動には2つあり、1つは公共の交通機関を使ってす
 るショートトリップです。上の写真はみんなで色々な所に行った時の
 写真です。
 2つ目は一月に一回「映画とおやつの会」を開いています。
 これは英治さんのアイディアで、大きなテレビも英治さんから寄付し
 て頂きました。最初のうちはずっと英治さんに来ていただいたのです
 が、英治さんのご事情で来られなくなり、一時は中止も考えました
 が、幸子さんと雅子さんのご尽力でなんとか続けさせてもらっていま
 す。 
   これらの活動以外に、多額の寄付をしてくださった方々のおかげで
 す。会費以外に寄付してくださった方は沢山いらっしゃるのですが、
 全員の写真を載せるのは大変なので、上の写真は300ドル以上寄付し
 てくださった方々だけにしましたが、寄付してくださった皆さま全員
 に感謝です。

 そのほか空瓶を寄付してくださっている方、集まった空瓶を一緒に
 ボトルデポに持っていってくださる方にもご協力いただいています。
 
 皆さまのご協力とご寄付で、なんとかまとまったお金を送金すること
 が出来ました。ありがとうございました。
 これからも出来る限りマカエラさんの「Mar & Tone Foundation」を応
 援していきたいと思っています。どうぞ宜しくお願いします。









2026年2月7日土曜日

14回 おやつの会

      参加者8名
 コロッケあり、蒸しパンあり、小豆あり、梨あり、お菓子もいっぱ
 い!映画を観ながら美味しくいただきました。

 今月の映画は1960年に公開されたルネ・クレマン監督、アラン・ドロ
 ン、マリー・ラフォレ、モーリス・ロネ主演の「太陽がいっぱい」で
 す。


 物語はお金持ちの息子フィリップ・グリンリー(モーリス・ロネ)
 をアメリカに連れ戻すよう彼の父親に頼まれてイタリアに来た、貧乏
 なアメリカ青年トム・リブリー(アラン・ドロン)が、フィリップと
 ローマのカフェテリアで談笑しながら、トムが絵葉書にフィリップの
 サインを真似て記入しているところから始まります。 


 ここで彼らはフィリップの親友フレディに偶然再会。
 フレディはトムに良い感情を持たず「どうしてトムみたいな奴の言う
 こと事を聞くのだ」と詰問しています。この時トムはフィリップに頼
 まれて買ってきたマルジュへのプレゼント「フラ・アンジェリコの画
 集」を渡します。

 フレディが去った後、2人は盲人から白い杖を買い、盲人の振りをし
 て遊びはじめ、それを面白がった女性と知り合いになり.....
 トムはその女性のポケットから彼女のイヤリングを盗み出します。

 これらの出来事が2つの殺人の伏線になるのです。


 フィリップは地中海に面した街モンジベッロ(架空の街)に在住。
 モンジベッロの港からフィリップと彼の婚約者マルジュ(マリー・
 ラフォレ)と一緒にヨットに乗り込んだトム。
 このトムとフィリップの関係ってまるでコインの表と裏のよう。一方
 は裕福で甘やかされ、もう一方はそんな彼に羨望と敵意を募らせてい
 る。フィリップとマルジュの行動を監視するトムの目の陰湿なこと。
 いかにも何か起こりそうです。


 色々な事件が起こった後、トムはフィリップの上着に以前盗んだ女性
 のイヤリングを忍ばせて、マルジュを追い払うことに成功。
 船を降りるというマルジュを呼び戻そうとするフィリップに、トムは
 「僕が降りようか?」って尋ねているんです。この時フィリップはイ
 ヤリングを忍ばせたのが彼と分かっていて、トムを船から降ろそうと
 はしない。
 

 ヨットの中はトムとフィリップ2人だけに。物語はこの男2人の関係
 が主軸になっているのですが.....その関係が主従関係であったり、ホ
 モのような雰囲気の関係であったり、ライバルのような関係であった
 りと、複雑に変化していきます。2人で話しているうちに流石のフィリ
 ップも身の危険を感じ、ポーカーゲームをしてトムにいくらか勝たせ
 ようとします。それに対してトムは「全財産もらう積もりだ」とせせ
 ら笑い。そしていきなりトムの胸を刺して殺すのです。


 死体に碇を乗せカーキ色のシートで包み、ロープでぐるぐる巻きにし
 て海に放り投げ、2度と浮かび上がらないようにし.....


 フィリップのサインを練習。彼のパスポートに自分の写真を貼り付け
 フィリップになりすまします。財産ばかりでなく恋人のマルジュも奪
 い取るため、フィリップのタイプライターで恋文を書いたり、フィリ
 ップの声色で電話したり、トムとして彼女の前に現れる等、巧みに
 トムとフィリップという2人の人物を演じ分けていきます。

 マルジェを訪ね、彼女の支度が出来るまで魚市場に行って時間を潰す
 場面では、魚の頭だけが切られて落ちていたり、エイの顔がアップさ
 れます。この魚の顔がトムに、殺した男の死に顔を思い出させている
 のでしょうね。こういう映像の処理が素晴らしいです
 

 突然フィリップの名で借りている部屋にフレディが訪ねてきて、トム
 がフィリップになりすましている事がバレ、やむなく彼を殺す羽目
 に。その罪をフィリップに着せるため、フィリップの遺書を作成。
 

 マルジュの愛も手中に収めたので、遺書に財産はマルジュにと書き、
 彼女を通して財産を奪う計画なのです。

 しかしこの後に劇的などんでん返しが起こり、思わず息を飲みます。


 上の動画はこの物語の最後の場面です。ニーノ・ロータの曲が素晴ら
 しいので、ぜひ聞いてみてください。

 フィリップのヨットが動力で海から陸に曳行されて来て。
 その船体と共に、フィリップの屍が船のスクリューに絡まったロープ
 に引かれて、上がって来てしまうのです。そして破れた布からフィリ
 ップの手が.....


 このフィリップの手は、マルジェが研究しているフラ・アンジェリコ
 の「受胎告知」の絵を思い出させます。絵を見ると、マリアとイエス
 の手が光の帯で繋がっていますよね。フィリップの手もトムに繋がっ
 ていることを暗示しているみたいですね。


 全体の絵では神の手がよく分からないので、神の手をアップしまし
 た。


 フィリップのヨットの売買契約をする為、海に出向いた彼女を待ちな
 がら、犯罪がばれたとも知らず、成功に酔いしれるトム。

 注文に来たウエイトレスに
 「C’est le soleil qui taperais mais à part ça,Je ne me suis jamais senti 
  aussi bien」
 (太陽は酷く照り付けているけど、素晴らしい気分だ)
 このセリフを聞いた時、英治さんの仰る通り私もカミユの「異邦人」
 を思い出しました。異邦人のムルソーは殺人の動機として
 「C'est à  cause du soleil」(太陽が眩しかったせいだ)と太陽のせい
 にしていました。この映画の原作のタイトルが
 「The Talented Mr. Ripley」なのに映画のタイトルをわざわざ
 「太陽がいっぱい(Plein Soleil)と変えたのも「異邦人」が念頭にあ
 ったのかもしれませんね。

 嬉しそうな顔で破滅に向かって歩く場面がラスト。彼を捕まえる場面
 を映さないフランス映画って、観た後余韻が残り素敵だなと思いまし
 た。観れば観るほど色々な発見があって、また観たい映画です。