2025年9月28日日曜日

映画「カサブランカ」第9回映画とおやつの会

 

 今月の映画はマイケル・カーティス監督、ハンフリー・ボガード、
 イングリッド・バーグマン主演の「カサブランカ」です

 参加者6名
 

 11時にスタートしたので、まずはランチ兼おやつから。


 この会を発案し、全てをやって下さっていた英治さん。最近彼のスケ
 ジュールが立て込んでいる上、目が悪くなってバーナビーからここま
 で運転するのは無理という話を聞いて、英治さんにこれ以上ここに来
 て映画会をやってくれとは頼めないなと思いました。でもこの会を辞
 めてしまってはせっかく英治さんが遠い道をせっせと通って、私達の
 為にみんなで観る映画の面白さを教えてくれた、今までの努力が水の
 泡になる。なんとか私達だけでも続けようということで、今回幸子さ
 んが頑張ってくれました。
 映画が上手く映った時は本当に嬉しかったです!


 
 映画の舞台は戦時中で、ドイツの影響下に置かれていたフランス領
 カサブランカ。
 ここは中立国ポルトガルに近いという地理的特殊性から、ヨーロッパ
 の戦火を逃れた人々や、ポルトガル経由でアメリカへの亡命を図る
 人々の中継地点となっていました。
 主人公リック(ハンフリー・ボガード)の経営するクラブは秘密裡に
 特殊な出国ビザを売る人、それを求める人の出会いの場にもなってい
 ました。


 物語はドイツ人の密輸人が殺され、彼が盗み持っていた特別の通行証
 が盗まれたところから始まります。


 そんな時昔の恋人イルザ(イングリット・バーグマン)と夫の反ナチ
 運動の指導者ラズロ(ポール・ヘンリード)がアメリカに亡命する為
 通行証を求めてリックの店に現れたのです

クーデンホフ・カレルギー夫妻

 このラズロのモデルになったのが、クーデンホフ・カレルギー伯爵
 (クーデンホフ・光子の次男)です。
 彼はEUの思想先駆者でその実現に向けて活躍していたので、ナチに狙
 われてしまったのです。ウィーンの家でパーティを催している最中、
 隣人からの忠告があり、愛妻イダ・ローラン(元女優)と急遽チェコ
 からハンガリー、ユーゴスラビア、北イタリアを通って無事中立国
 スイスに逃亡。翌日の新聞を見たら、彼が逮捕予定者のナンバー1だ
 ったそうで、ウィーンの王宮内にあった汎ヨーロッパ運動本部は閉鎖
 され、通信文や関係書類、本4万冊が燃やされたという。危機一髪
 ったそうです。
 その後パリに渡り、カサブランカに行けば闇のパスポートが手に入る
 と知った矢先、アメリカの大学から教授として招聘するという電報が
 届き、無事アメリカに渡ることが出来たので、実際にはカサブランカ
 には行かなかったようです
 今でも愛しているイルザに、夫を出国させるために通行証を譲ってく
 くれと頼まれても冷たく断っていたリックでしたが、ラストで彼らを
 安全に出国させることを決意。警察署長のルノーを上手く罠にかけ、
 ドイツ軍に気づかれないように空港へ。
 

 が、ルノー署長もしたたか。リックの命令に従っていると見せかけて
 ドイツ軍のシュトラッサー少佐に通報。どんどん迫り来る少佐に、観
 ている私達はドキドキで、つい「早く飛行機に乗って、早くー」って
 心の中で叫んじゃいましたね。追いついた少佐をリックは、間一髪で
 撃ち殺して、二人の乗った飛行機を無事飛び立たせます。
 事の次第を全て理解したルノー署長は、ここで一転してリックを助け
 るのです。彼もまた本心は反ナチだったんですね。
 このルノー署長の演技なかなか良かったです。

 この警察署長を演じたクロード・レインズは、英治さんによると幼い
 頃から家族の家計を助けるため苦労した人だそう。また第一次世界大
 戦に従軍して片目を失ったそうだけど、ルノー署長が片目だなんて分
 からなかったですね。
 
フェラーリとリック

 カサブランカ」は真珠湾攻撃のすぐ後に制作が始まり、約1年後に
 一般公開されています。公開の数週間前に連合軍が北アフリカに侵
 攻。当時ファシズムが拡大していて、ドイツを阻止出来るのはアメリ
 カ流の自由民主主義だけだと言う、宣伝効果も狙って急遽公開された
 そうです。映画の冒頭でどちらの側にもつかないという立場に固執し
 ていたリックに、フェラーリが「孤立主義はもはや現実的ではない。
 どちらかの側を選ぶべきだ」と忠告していましたね。
 そして最後にリックは反ファシストの側を選択。素敵な結末でした。

 単なるラブロマンスの物語ではないこの映画とっても面白かった
 す。ただリック役のハンフリー・ボガードは適役ではなかったという
 のが見終わってからの皆の意見でした。欲を言うとリック役をもっと
 ハンサムな人で女心をしっかり掴むような演技ができる俳優、例えば
 ジェラール・フィリップのような俳優だったら、もっとイルザの気持
 ちに寄り添えたと言うのが見終わった後の感想でした。

 
 
 
 

2025年9月14日日曜日

Gastown で見つけた素敵な壁画       (127回トランスリンクの旅の続き)

 
Gastown を歩いていた時です。


 駐車場の出口の所にこんな素敵な壁画を見つけました。
 なかなか面白い図案だったので調べてみたらChairman Ting
 (カーソン・ティン)によるものだとわかりました。
 この Chairman Ting は、Vancouver を拠点に活動しているアーティス
 トで、彼の作品は都市の風景や文化をモチーフにしたものが多いそ
 うです。この壁画のタイトルは「Pacific North Weave」
 彼がこの壁画を描いている時の写真です。
 アクリルの白い線で美しいVancouver のGastown を織っていく様に描
 くのはとても楽しかったそうです

 これもGastown の一角を描いた作品です。


 この様に彼のイラストが描かれた靴も売られています。

 彼の作品はUBC, SFU, Vancouver のダウンタウン、Gastown で見る事
 が出来るそうです。


 彼の白いアクリルで描かれた壁画を見て、毎朝散歩の時に見る蜘蛛
 の巣を連想してしまいました。蜘蛛の巣も良く見るとびっくりする
 くらい綺麗なんですよ。これは散歩の時に撮った写真です。

 知っているつもりの場所でも時が経つと何かしら変化しているもの
 ですね。今回の旅で少しばかりChairman Ting の世界に触れたのも嬉
 しい経験でした。



 

2025年9月13日土曜日

Lynn・Canyon・Park, Shipyard, と Gastown   127回トランスリンクの旅

 今回の旅は、雅子さんの案内で3箇所に移動するという盛り沢山
 旅です。

 参加者11名
 10:00  Waterfront Station 集合
 10:21   EB W Pender @Granville #210Bus 乗車  
210番バス
 11:04  NB Underwood @ Evlin 下車
 Lynn Canyon Park に到着。
 

 この公園は約250ヘクタール(620エーカー)もあり、ダグラス・
 ファー、ウエスタン・レッドシダー、ウエスタン・ヘムロックなどの
 樹木が生い茂っている緑豊かな森です
 かつてこの森には126、5Mの巨大なダグラスファーの木が生育してい
 たのですが、1912年に切り倒されてしまったんです。この時同時にこ
 のこのあたり一帯の原生林全部が伐採されてしまい、荒廃していたの
 がまた徐々に木が生えてきて現在の状態に復活したそうです。
 自然の力ってすごいですね。と言う訳でこの公園の森は二次林であ
 り、最も古い樹木のほとんどは樹齢80〜100年なんだそうです
 要所要所に木の階段があって歩き易くなっていました。
 今回雅子さんが選んでくれたコースはほとんで下りだったので
 階段は降りるだけでとても楽でした。

ウエスタンヘムロック(ツガ)の林

 このウエスタン・ヘムロック(ツガ)の林に入った時、あまりにも
 木々が高いのでびっくり。それもその筈この木は高さが80M近くに
 もなるんだそうです。木って一体どこまで高くなるのでしょうね。
 光合成するにしても、栄養素を木のてっぺんまで運ぶにしても水が
 必要。木が水を吸い上げられる高さは130〜140Mと計算されている
 ので、この高さが木が成長出来る理論上の限界値だそうです。


 最初に着いたのが「30 フィートプール」。ここでちょっと休憩!


 名前の通り自然が作ったプールのようで、もう結構寒いのに水に浸か
 っている人たちがまだいました。


 透明な水を眺め、風に吹かれて元気になった私たち。
 次の目的地に向けて出発です。

 また林の中を通り抜け、階段を降りて吊り橋に向かいました。


 遂に吊り橋に到着。この吊り橋は、長さ90M、下を流れるリン・
 クリークから50M(15回建てのビルの高さに相当)の高さで架けらて
 います。一人ずつ渡れるぐらいの幅で、そんなには揺れなかったので
 すが、高所恐怖症の人にはちょっときついかも。


 吊り橋から見た景色です。

 公園を出て次の目的地はShip Yard です。


 12:28  #227Bus  Peters @ Duval 乗車
 12:33  Lynn valley bay 6 で下車
 

 Lynn Valley Centre 前の鹿の像の所で記念撮影です。

 12:59 #229 Lynnvalley bay 6 乗車 
 13:25 Lonsdale Quei で下車


 Ship Yard に到着です。ここは以前造船所があった所で、その生産性は
 第二次世界大戦中にピークに達し、この造船所の戦争遂行への貢献は
 大きかったそうです。戦後造船業は衰退し、造船所施設が要らなくな
 り、その跡地が今この様な素晴らしい市民の憩いの場所になっている
 んです。
 ランチのレストランは昔の造船所を改造した
 「Tap & BarrelーShipyard」です。


 ランチの時間が2時になってしまったので、みんな腹ペコ。
 沢山注文してみんなでシェアしました。 
 メニューにFamous Fried Pickles というのがあったのでオーダー。
 これなかなかイケてました。このレストラン、雰囲気も良く料理
 も美味しくてお勧めです!
 お腹も一杯になったところで、Sea Bus に乗ってVancouver に戻り
 ました。着いた所でマサさんご夫妻と別れ、私たちはGasstown へ。


 ここはVancouver の観光地。観光客らしい人で混んでいましたね。


 Gastown の有名な蒸気時計の前で記念撮影。
 私たちもいっぱしの観光客です。時計の針が狂っているのが残念!
 ここでティータイムです。

 Lynn Canyon Park では良く歩いて思い切り森林浴を楽しみ、Ship 
 Yard では美味しい料理に舌鼓を打ち、Gastown では街の雰囲気を楽
 しむといったように色々なことが楽しめた素晴らしい1日でした。
 これもみんな雅子さんの素晴らしいガイドのおかげです。
 ありがとうございました。
 ちなみに今日歩いた距離は7Km、13000歩でした。



2025年9月11日木曜日

宗一郎くんのアンモナイトハンティングの旅

 人類が生まれる遥か前。巨大な恐竜が出現した時代に、海に生息して
 いたアンモナイト。恐竜と共に絶滅し、火山灰に埋もれたその殻は今
 でも世界各地で見つけることが出来るそうです。 

 今回はそのアンモナイトを探しに行った宗一郎くんの探検をしほこ
 さんが伝えてくれました。


 朝早くHorseshoe bay からフェリに乗ってNanaimoへ。

ザトウクジラ
 その船に乗っている間に幸運なことにザトウクジラに遭遇
 幸先の良い旅の始まりです。

 Nanaimoで1泊してからComoxに。Comoxには2日間滞在。


Courtenay にあるCourtenay & District Museum
 この博物館でCourtenayで初めて発見された恐竜エラスモサウルスや
 アンモナイトなどの化石を見ることが出来るんですよ。


 Courtenay museum の近くの川 Puntledge River に到着。
 1988年にこの川で恐竜エラスモサウルスの化石が発見されたそうで
 す。


 いよいよアンモナイトハンティングです。
 アンモナイトは堆積岩層の中にあるので、ハンマーを持参。
 (本当はチズル(CHISEL HAMMER)が必要だと今回学びました。)
 その他安全の為に保護メガネもかけています。
 これで一丁前の古生物学者です。

 アンモナイトがなかなか見つからず他の場所へ移動


 Miracle Beach では「Sand Dollar」日本語でカシパンと呼ばれるウニ
 の仲間を沢山見つけました。これはウニの仲間でも食用にはならな
 いそうです。


 左手に持っているのが生きていて、右手が死んだSand dollar 。
 殻表には短いとげが密生していて、死ぬとこの棘が取れ右手のSand 
 Dollar のように背面にのお洒落な花びら模様が出てくるんです。
 この花紋は単なる殻の模様で無く、呼吸を助ける装置なんだそう。


 穴が真ん中に空いているのも死んじゃった殻です。


 こんな大きなカニも見つけました。


 ここのビーチ、鉄分が多いのか小豆のように赤かったです。 
 ビーチで色々なものを見つけました。


 Nymph Fall Nature Park  私はこの旅でこの滝が一番良かったです。
 滝が流れる横で、岩の間で泳ぐ事もできる珍しい場所です。
 水が綺麗で岩🪨が素晴らしい!


 3日目は 


  Shelter Point・Campbell River 、ここも化石が出るらしいとウエブ
 サイトには出ていたので 行ってみました。


 ここはCampbell River 手前のビーチでここも潮が引いている時は、
 採掘に来られる人がいるそうです。地層のようになっている柔ら
 かい岩が水際にありました。私たちが行ったときは潮が満ち始め
 ていて、時間をかけられませんでしたが、宗一郎はここにあると
 確信があったようで、必ず来年は戻って来たいと言っていました。


 宗一郎はどうしても一個はアンモナイト欲しいとのことで、Campbell 
 River 間での川と海沿いを転々と探しました。暑かったのとハンマー
 で叩き疲れても見つかりませんでした。
 プライベートな土地がひしめき合って採掘出来そうな海と川に辿り着
 くの大変だと実感しましたが、滝の川がすごく綺麗でエメラルド色の
 水と大きな岩、トレイルの森林の香りも全て素晴らしい場所だったの
 でお勧めです!
 3日目の夜、Campbell River の山葵屋さんと言う日本食レストランで食
 事。オーナーのひろきさんはここで唯一の日本人。おばあちゃんから
 小さな子供まで3世代に愛される山葵屋さんのおもてなしに、なぜか
 懐かしい気持ちになりました。Campbell River にお寄りの際はぜひ立
 ち寄ってみてください。絶対気に入ってもらえると思います!

Puntledge River でアンモナイトの化石を探している

 オーナーのひろきさんに、アンモナイトの化石を見つけに来たと話し
 たら、化石を採取しているYouTube を見つけ、その場所を特定してく
 れたんです。ただその場所は、最初に行った所の入り口から入って、
 水に少し浸かりながら崖沿いを歩かないと行けない場所とのこと。
 でもおそらくその辺一体で採れる可能性はあると思うので、公園に
 入ったらすぐ右にクリークが流れているので、そのクリークと川の
 本流がぶつかる所辺りで探してみても良いのではとアドバイスして
 くれました。それで4日目はまた Puntledge Parkで探すことに。
 優しい出会いに感動です。

 次の日ひろきさんのアドバイスに従い諦めていたPuntledge River
 にまた挑戦です!


 アドバイス通り公園右側の茂みを抜けると、良い感じの地層が出
 てきました。


 私達がひたすら石を叩いている間.....チューブの浮き輪に乗って川遊び
 している大勢の家族、その側でサーモンがピョンピョンと上流に上が
 って行く姿も見られたし、釣りをしている家族もいました。

 
 帰り道ハイウェイで川を見つけては車を降りて、川に行く道を探し
 ました。暑さと川は見えるのになかなか下に降りられない怖さと、
 何より熊が出るのではないかと怖かったです
 Deep Bay にあるレストラン『Ship &Shore』
 シーフードレストランでロブスターバーガーもフィッシュ&チップス
 もすごく美味しくて、お店のサービスも景色も最高でした。
 残念ながら今回アンモナイトは見つかりませんでしたが、沢山の
 珍しい石や貝は見つけられました。
 化石採掘は簡単ではないと経験出来た事、家族一丸となって探しな
 がらVancouver Island を探検出来た事が、この夏の素敵な思い出に
 なりました。次回はぜひアンモナイトを見つけたいです。