Gina with her 3rd child, Ahoua. |
安定期に入るまではあんなに不安で、出産や臨月どころか妊娠中期さえも
一生辿り着けないかと思う位ずっと先の話に感じたのに、
気付けば産休が僅か6週 間後に迫って来ました。
それなのに仕事は山積していてとても6週間で
片付けられなさそうで、精神的にプレッシャー…。
そのくせ、私の仕事量を一番知ってい る筈の上司からは
「君、妊婦のくせに動き回りすぎだよ。」
とあまり意味がない注意をされるし、
当のパートナーからは
「おや?君のお腹、随分大きいねえ。昼 食食べ過ぎたの?」
などとからかわれるし、
それでもめげずにギニア・ビサウで妊婦生活を続けている私。
この間、普段井戸水汲みをしてくれるメイドさんが
家 族の事情で来られなくなったので、
既存のポリバケツ3杯半の水が2週間尽きない様超節水を強いられたり、
調理用のガスがなくなったので新たに買いに行くべ く
重いガスタンクを運んでくれる人を探したり、
と日常の些細な不便とも何とか戦って(?)います。
皮肉なもので、やらなきゃいけない事が一杯あるという時に
限って風邪をひいてしまい、
本来なら抗生剤を飲めば2・3日で治る様な風邪に、
こちらでは 妊婦でも飲める感冒薬が入手できないからか
ビタミン剤と鎮痛剤しか処方して貰えず、
健康・頑丈が一番の取り柄の私が今回は2週間も苦闘しています。
気温 30度以上の中セーターにマフラーにブーツを履いて出勤し、
数分置きに鼻水と咳をしている私を見かねてか、
この間に職場の同僚達から「我が家の秘伝療法」 として
アカシア茶やユーカリ湯気、レンコン汁・ニンニク茶・貝の燻製ソースなど
沢山のレシピを教えられ、それだけで本が一冊書けそうな位!
その中で実践可 能なものを試してみる内に、
ちょっと良くなったりまた症状がぶり返したりしながら、
今日に至っています。
同時に、厚着のし過ぎか体中に湿疹に発生してしま い、痛痒い・・・。
全く、踏んだり蹴ったりの11月です。
さて、この間私以外の女性達にはもっと困難な災難が訪れました。
上でも触れましたが、私のメイドさんのジーナが
ある朝来なかったので、どうしたのか と電話をしたら、
「夫の調子が良くないから、今日は働けない」との事。
その二日後、彼女を紹介してくれた職場の同僚・セマから、
彼女の夫が亡くなったとの 訃報・・・。
夫の歯か歯茎の炎症が突然悪化して腫れ上がった挙句に亡くなってしまい、
まだ30歳の若さで3児を持つ未亡人になってしまったジーナ。
お葬式 などで2週間近くはお仕事に来られませんでしたが、
喪が明けてお仕事を再開した朝、どんな言葉を掛ければいいのか
考えながら彼女に近寄ると、悲しそうなが らも健気に笑顔を見せ、
「お葬式の為のお金をセマから受け取りました。ありがとう。」
とお礼を言われ、却って強く装うとしている彼女の辛さを感じ、
目頭が 熱くなってしまいました。
それと、最近すごくショックを受けた事件。
国連警察の友人が最近ギニアビサウ北部の村で数度にわたる
集団レイプの被害者となった10歳の女の子をビ サウに救出して来ました。
私は直接その子に会っていませんが友人の話によると、
その子は村の貧しい家庭に5人兄弟の中唯一の女児として生まれ、
数年前に母 親が亡くなってしまったので、
それ以来まだ幼い彼女が母親代わりとして父と他の兄弟の為の家事をし、
結果学校にも通えず遊んでいる暇もない生活だったそ う。
そんな孤立した彼女を格好の標的と思った村の不良若者達が、
彼女を数度に渡り集団レイプ。
報復を恐れた彼女は誰にも言えずに恥辱に耐えていた様です が、
最後は暴力まで伴っていた様で傷を負った彼女を不憫に思った
村の長老の一人が告発したのを機に、
今回国連警察が介入して彼女を救出する事ができた次 第。
聞き取り調査の過程で友人がその子の父親を訪れた所、
究極の貧困生活と過酷な畑仕事に疲れ果てた父親は、
レイプ事件に驚愕するどころか
「男児4人を育 てるのに精一杯だし、僕には女児の育て方が分からない。
だから彼女を何処かに連れて行ってくれて構わない。」と言ったそう。
たかが10歳にして人生の辛苦を舐めざるを得なかった彼女。
ビサウでの暴力被害者シェルターに居れる期間は限られているので、
先日出身村に返されて しまった模様。
また貧困と暴力と戦わなきゃいけない日々が彼女を待っているのでしょうか・・・。
そんな彼女に何をしてあげられるのでしょうか・・・?
一生辿り着けないかと思う位ずっと先の話に感じたのに、
気付けば産休が僅か6週 間後に迫って来ました。
それなのに仕事は山積していてとても6週間で
片付けられなさそうで、精神的にプレッシャー…。
そのくせ、私の仕事量を一番知ってい る筈の上司からは
「君、妊婦のくせに動き回りすぎだよ。」
とあまり意味がない注意をされるし、
当のパートナーからは
「おや?君のお腹、随分大きいねえ。昼 食食べ過ぎたの?」
などとからかわれるし、
それでもめげずにギニア・ビサウで妊婦生活を続けている私。
この間、普段井戸水汲みをしてくれるメイドさんが
家 族の事情で来られなくなったので、
既存のポリバケツ3杯半の水が2週間尽きない様超節水を強いられたり、
調理用のガスがなくなったので新たに買いに行くべ く
重いガスタンクを運んでくれる人を探したり、
と日常の些細な不便とも何とか戦って(?)います。
皮肉なもので、やらなきゃいけない事が一杯あるという時に
限って風邪をひいてしまい、
本来なら抗生剤を飲めば2・3日で治る様な風邪に、
こちらでは 妊婦でも飲める感冒薬が入手できないからか
ビタミン剤と鎮痛剤しか処方して貰えず、
健康・頑丈が一番の取り柄の私が今回は2週間も苦闘しています。
気温 30度以上の中セーターにマフラーにブーツを履いて出勤し、
数分置きに鼻水と咳をしている私を見かねてか、
この間に職場の同僚達から「我が家の秘伝療法」 として
アカシア茶やユーカリ湯気、レンコン汁・ニンニク茶・貝の燻製ソースなど
沢山のレシピを教えられ、それだけで本が一冊書けそうな位!
その中で実践可 能なものを試してみる内に、
ちょっと良くなったりまた症状がぶり返したりしながら、
今日に至っています。
同時に、厚着のし過ぎか体中に湿疹に発生してしま い、痛痒い・・・。
全く、踏んだり蹴ったりの11月です。
さて、この間私以外の女性達にはもっと困難な災難が訪れました。
上でも触れましたが、私のメイドさんのジーナが
ある朝来なかったので、どうしたのか と電話をしたら、
「夫の調子が良くないから、今日は働けない」との事。
その二日後、彼女を紹介してくれた職場の同僚・セマから、
彼女の夫が亡くなったとの 訃報・・・。
夫の歯か歯茎の炎症が突然悪化して腫れ上がった挙句に亡くなってしまい、
まだ30歳の若さで3児を持つ未亡人になってしまったジーナ。
お葬式 などで2週間近くはお仕事に来られませんでしたが、
喪が明けてお仕事を再開した朝、どんな言葉を掛ければいいのか
考えながら彼女に近寄ると、悲しそうなが らも健気に笑顔を見せ、
「お葬式の為のお金をセマから受け取りました。ありがとう。」
とお礼を言われ、却って強く装うとしている彼女の辛さを感じ、
目頭が 熱くなってしまいました。
それと、最近すごくショックを受けた事件。
国連警察の友人が最近ギニアビサウ北部の村で数度にわたる
集団レイプの被害者となった10歳の女の子をビ サウに救出して来ました。
私は直接その子に会っていませんが友人の話によると、
その子は村の貧しい家庭に5人兄弟の中唯一の女児として生まれ、
数年前に母 親が亡くなってしまったので、
それ以来まだ幼い彼女が母親代わりとして父と他の兄弟の為の家事をし、
結果学校にも通えず遊んでいる暇もない生活だったそ う。
そんな孤立した彼女を格好の標的と思った村の不良若者達が、
彼女を数度に渡り集団レイプ。
報復を恐れた彼女は誰にも言えずに恥辱に耐えていた様です が、
最後は暴力まで伴っていた様で傷を負った彼女を不憫に思った
村の長老の一人が告発したのを機に、
今回国連警察が介入して彼女を救出する事ができた次 第。
聞き取り調査の過程で友人がその子の父親を訪れた所、
究極の貧困生活と過酷な畑仕事に疲れ果てた父親は、
レイプ事件に驚愕するどころか
「男児4人を育 てるのに精一杯だし、僕には女児の育て方が分からない。
だから彼女を何処かに連れて行ってくれて構わない。」と言ったそう。
たかが10歳にして人生の辛苦を舐めざるを得なかった彼女。
ビサウでの暴力被害者シェルターに居れる期間は限られているので、
先日出身村に返されて しまった模様。
また貧困と暴力と戦わなきゃいけない日々が彼女を待っているのでしょうか・・・。
そんな彼女に何をしてあげられるのでしょうか・・・?
朋子さん
返信削除安定期に入り、もうじき産休なのね、と気楽に読み始めたのですが、井戸から汲み出す水、タンクのガスも買いに行く暮らしとは、私の想像を超えていました。ごめんなさい。風邪をひいても適切な薬の入手も難しいのですね。途上国の国連職員の暮らしに対しての認識が甘かったです。
その上、歯の腫れから死に至る現地の人たちの暮らし・・
夫に先立たれても子供を抱えて健気に笑うジーナさん、頑張って欲しいです。
その後、ギニアビサウの女の子のくだりまで読み進んだ時には、あまりのことに胸が痛くなりました。報道で聞くより、悲惨さが伝わって来て、怒りと悲しみを禁じえません。
平穏な暮らしをしている私は、その子に何もしてあげられませんが、世界の中にはそういう暮らしを強いられている人々がいることを忘れずにいたいと思います。
朋子さん、くれぐれもお身体を大切にお過ごし下さい。
雅子
沢山の困難にも負けず、風邪をひいても仕事を続けている朋子さんの頑張りには脱帽してしまいます。
返信削除産休で日本に里帰りまであと6週間。その間何事もありませんように……
またジーナと特に10歳の女の子の話は読むのが辛いくらいでした。
何で助けてあげられないのか…… 歯ぎしりする思いです。
さとみ