今年のセネガルの暑さは日本の夏に負けない位、湿気も不快指数も高めだし、何し
ろ長いです。もう10月末なのに、まだ蒸し暑い…。そんな暑さをしのぐかの様に、
9月はカメルーンに、そして10月はベナンに出張に行ってきました!
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カメルーンの首都ヤウンデ |
皆さんはカメルーンの政情をご存知でしょうか。私もこのブログを書く為に改めて
調べてみた所、1300年代から1800年代までバムン王国が栄えていましたが、
1884年にドイツの植民地となってしまい、その後ドイツが第一次世界大戦で
敗れた後、フランスとイギリスに8割・2割で分割されたました。
1960年にフランス領カメルーンが独立した後、イギリス領カメルーンの南部も後に
続き、イギリス領カメルーンの北部はナイジェリアに吸収されたそう。
その後、20年以上独立当初の北部出身の大統領が統辞していましたが、1982年に
自ら辞任して南部出身の当時の副大統領に引き継ぎました。
以来、その大統領が何と42年大統領の座に君臨、一応7回選挙で再選されたとは
言え実質アフリカで2番目に長い独裁者。
石油や木材など自然資源に富んでいるのに、腐敗と格差で結果23%の世帯が貧困層
という現状。同時に北東部はナイジェリアから越境したボコ・ハラムの脅威、
北西部は独立を求める英語圏の反政府部隊と軍隊との衝突で、408,000人の難民と
583,000人の国内避難民がいる状況です。それなのに大統領はスイスの5️⃣っ星ホテル
に滞在してあまり国に帰って来ていないそうな。
そんな訳で噂では心配なカメルーンでしたが、実際に行ってみると明るくオープンな
雰囲気のカメルーン人達とやる気満々の同僚達に感化され、初めて訪れるカメルーンは
なかなか好印象。
初日は国際会議に参加したのですが、会議の後半で停電になってしまい、マイクと
スピーカーなしでは声も聞こえないので、初日の午後はお流れ状態。
2日め以降は醍醐味の現地視察!首都ヤウンデから車で5時間近く掛けて南東部の
ベルトゥア州に出張。茶色が主なサハラ地帯から来た身には深い緑と高い木に
囲まれた国道は新鮮で、途中すれ違う大木を積んだトラックの数々は何処に向かう
のかしら?やはり中国?などと思い巡らせつつ、到着したベルトゥアは一見長閑な
地方の街ですが実は国境をまたいだ向こうの中央アフリカ共和国から紛争を逃げて
来た難民を受け入れている地でもあります。
こうしてアフリカは大陸内で紛争が発生しても難民・避難民を受け入れて助け合っ
ているんですね。なので、難民・避難民の子どもを受け入れている学校への支援
などを我々の団体がしている様子を視察して来ました。
本来の基礎教育だけじゃなく職業訓練やタブレットを使ったデジタル学習や音楽を
通して生きる力を育む教育も展開しています。
これらの活動を視察して、満足感とカメルーンの将来への希望を感じながら帰り
空港に行ったら、搭乗ゲート寸前で「手荷物がちょっと重い」と賄賂目当ての
イチャモンを付けられ、せっかくポジティブな気持ちで出張を終えられそうだった
のに、最後にがっかりさせられちゃいました。
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ペナン コトヌーのアマゾナの像 |
一方10月に行ったベナンは、大国ナイジェリアの比較的小さい隣国ですが、17-18
世紀にはダホメ王国が今日のベナンがある一帯を統辞、ダホメは特にその剛腕な
軍人達で有名です。中でも女性の軍人集団「アマゾナ」は、ヒット映画「Black
Panther」や「Woman King」のモデルになった位世界でも伝説化しています。
そうやって戦って仕留めた他の部族の民を奴隷としてヨーロッパや北南米に売った
為、奴隷貿易の輸出港として第二の港町ポルトノヴォは栄えました。
その後19世紀に奴隷貿易が禁止された後、フランス領となりましたが、幸か不幸か
顕著な自然資源はなかった為、特に搾取もされずにすんなり1960年に独立しました。
独立後約十年はクーデターが続き、その後18年の独裁政権後、1991年以降は選挙で
政権交代が行われており、西中央アフリカ地域では比較的政情も治安も安定している
国です。
そんなベナンは地味でおっとりしていつも真面目そうな国民性で、近年は小学生の
学力も地道に伸びています。
そこで私の所属団体は特に貧困とマリ紛争の影響を受けている北部で支援しています
が、私は半日しか視察している時間がなかったので、経済都市コトヌから1時間
ちょっと行った所にある首都ポルトノヴォに行きました。
省庁の大半はコトヌにあるのに何故か教育省だけはポルトノヴォにあるので、教育省
の局長さんに会い、プラスチックをリサイクルしたブロックで建てた校舎を一緒に
視察しました。
また、その翌日の会議では、女性副大統領が近隣国の女学生と話し
合う場が設けられ、チャド出身の女学生が留学したくても貧乏な親に迷惑を掛けたく
ないから国立大学で頑張っている事を打ち明け、副大統領が励ましの拍手をしている
様子は、観客の私も涙してしまいました。
ちなみにこのベナンには湖上で生活する町があり、隣人を訪ねたり近所に買い物に行く
もカヌーで行くという変わった町で、今回は訪問できませんでしたが、一見の価値が
ありますよ。
という訳で、この2ヶ月は対象的な2カ国に出張できて、とても勉強になりました。
11月はニューヨーク本部と12月はモリタニア出張が控えているので、最後の四半期は
出張続きで忙しいですが、負けずに頑張ろうっと!!
ホントに、、アフリカの実情ほど「誰も本気で考えない大陸」はないね
返信削除苦しみと悲しみいっぱい!