2025年2月1日土曜日

映画「天井桟敷の人々」やっと観れました! 第3回映画とおやつの会

  
   今回は英治さんが頑張ってくださっての敗者復活戦です👏

   映画が観れると安心したのも束の間、当日は雪が降るという天気予報。
   会場を用意しながら何人の方が参加出来るか心配でしたが、、、
   朝起きたら雪は全然降っておらず、午後には晴れ間まで出て天気の神様に感謝!
   (次の日から2日間雪が降り続いたので、1日違っていたらと冷や汗😓)

   嬉しいことに参加者は私と英司さんを含めて12名となりました!


   無事映画が観られることになって、満足そうな英治さんの顔(笑)


   いつもの様にたくさんのおやつです。

   「天井桟敷の人々(Les Enfans du Paradis)」は第二次世界大戦の末期、ナチス
   占領下のパリとニースで撮影された映画で、あの時期によくこれだけの映画が
   作れたと感心してしまいます。
   撮影している間ユダヤ人である作曲家とデザイナーは隠れて仕事をしたり、
   90分映画しか許可されていなかったので、2部に分けたり、飢えたエキストラ
   が写真撮影する前に宴会の食事の幾つかを持ち去ったおかげで、その場面が
   撮影出来なかったりと、苦労が絶えなかったそうです。


   大勢の人達がひしめく大通りのシーンは圧巻で、戦時下でよく撮影が出来たと
   驚いたのですが、後でこれは全長400mに及ぶオープンセットで1500人の
   エキストラを動員して撮影したと分かり2度ビックリです!

左がジャン・パチスト・ドゥビュロー 右が映画のパチスト

   舞台は1828年のパリから始まります。このドラマの主要な登場人物の1人
   バチストのモデルは、この時代にピエロ役者として活躍したジャン・
   バチスト・ドゥビュローです。
   当時パリで大人気のピエロ役者だった彼は、パントマイムで独自の世界を
   築き上げ、現在のピエロのスタイルはほぼ全て彼の手になるものだとか。
   映画のバチスタと違って家族を大切にする人でもあったようです。
   休暇で妻と一緒に散歩をしていた時、酔った若者が妻に絡み、彼をピエロと
   馬鹿にしたので、思い余ってステッキで若者の頭を殴りつけ、死に至らしめる
   という事件を起こしています。裁判が行われた時パリ中の人々が駆けつけた
   そうで、結局彼は無罪になりました。しかしこの事件は彼の心に刻みつけられ、
   次第に暗いものを演じるようになって行ったそうです。

左がフレデリック・ルメートル 右が映画のフレデリック

   映画のフレデリックのモデルとなったフレドリック・ルメートルは俳優で、
   1823年7月2日に『アドレの館』で初演された劇の評判が悪く、度を越した
   ブーイングを浴びたので、翌日、前日に大通りで見かけたぼさぼさの顔の
   グロテスクな人物からインスピレーションを得て、自分の役柄をすっかり
   変えて演じ、劇は大成功を収めたそうです。映画にも同じような場面が
   ありましたね。彼は映画のフレデリックと同じようにオセロも演じています。
左がピエール・フランソワ・ラスネール 右は映画のラスネール
   
   ラスネールのモデルになったピエール・フランソワ・ラスネールは、犯罪者で、
   詩人。窃盗、詐欺、手形偽造、殺人などの犯罪を重ね、最後はギロチンで処刑
   されています。彼が普通の犯罪人と違うのは、子供の頃は聡明で勤勉、中学校
   で何度も優等賞を受賞。そんな彼が犯罪人になったのは、親から精神的虐待を
   受け家族、学校、長続きしなかった様々な職業を通じて社会に対して憎悪を持
   つようになったこと。その憎悪を特権階級に向け、彼らに抗議する為犯罪の
   手口や隠語を勉強し、いろいろな罪を重ねて行ったのです。
   遂に逮捕され裁判が始まった時、傍聴人は、彼の洗練されたブルジョワの身な
   りと、事細かに自分の犯罪について語り、死刑を要求するその弁論に魅了され
   たそうです。
   裁判から死刑執行に至る2ヶ月間、新聞は連日彼の話題を報道し、彼も歌や
   詩を投稿。上流社会の人達も含めて大勢の人達が彼に会う為、彼の独房の前
   に列をなし、そこで哲学や文学などを議論したというから驚きです。
   処刑の日、彼は自分を捕まえた警部に上品に会釈して挨拶し、ギロチンの刃を
   2度見し、「俺は怖くはないぞ」と呟きながら、しっかりした足取りで死刑台
   の階段を上り、ギロチンで処刑されたとのこと。
   彼の存在は19世紀の偉大な作家達に大きな影響を与えたそうです。
   こんな人が存在していたのですね。

   映画でラスネールが貴族のモントレー伯爵を殺した時、現場から逃げもせず
   不適な笑みを浮かべていた謎のシーンは、彼のしてやったりという満足の
   笑みだったんですね。
   

   映画を見終わった後、皆さんから感想や意見が活発に出て面白かったです。

   娼婦ガランスを巡る男達の恋の鞘当てを通して、男達の生き方を描いたこの
   映画、やっぱりフランス語が分からないと、脚本家のジャック・プレヴェール
   の意図が伝わりにくいですね。
   私自身映画を観たすぐの感想は、登場人物に感情移入出来ず、物足りない感じ
   がありましたけど、調べるとなかなか興味深い映画だということが分かってき
   ました。まだ観ていない方、19世紀のパリが観られるのですから、チャンス
   があったらぜひ観てみてください。



7 件のコメント:

  1. エイジさん
    お疲れ様でした🤗
    サトミさん
    場所提供ありがとうございました
    皆さんの感想、色々と聞けて楽しかった。
    考えた方、感じ方がユニークで面白い😆
    次回も待ち遠しい😁

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  2. 今日は大変楽しい時間を過ごすことが出来ました。
    映画を観て討論又良いものですね‼️
    エイジさんありがとうございました❣️

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  3. 英治さん 今日は待ちに待った著名なフランス映画監督の映画を紹介して頂き、鑑賞後の皆さんのいろんな興味深い意見も飛び交い楽しい時間を過ごさせて頂きました.
    英治さんの貴重なお時間をいただき有難うございました.

    そしてさとみさん,映画会のオーガナイズやみんながリラックスできる場所も提供して頂き感謝します.

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  4. 今日の映画鑑賞も楽しかったです。
    エージさん、さとみさんありがとうございました。
    3時間の長い映画も長さを感じませんでした。
    観た後の皆さんの感想も面白かったです。

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  5. 映画に吸い込まれて3時間もあっという間でした。 
    鑑賞後の皆さんの感想も其々でいいですね。
    エイジさんさとみさん皆さん有り難う御座いました。

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  6. 英治さん、さとみさん、楽しい時間、サンキューです!天井桟敷の映画の名前は聞いたことがあったけど、実際に見れて感謝です。でも、英治さん、凄いですね。11才の時にこの映画を見て、感動したとは!それで私も子どものころに観た映画を思いだしてます。それはアメリカの映画でimitation of life , The Eddy Duchin story です。思いきっり泣いたのをおぼえてます

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  7. Sharing the same time, same film, same room, same joy and same sorrow takes all of us to a whole new merciful, thoughtful and joyful tomorrow. Merci, all of my beautiful friends in the Fairdell Crescent Cinema. Love,

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