2025年3月20日木曜日

一人の女性の努力が、アフリカで実を結ぶ  首相官邸ホームページより

   アフリカ大陸のモザンビークとマラウィには。親の病気や貧困といった家庭の
   事情で教育を受けられない子どものための小さな学校がある。その学校を建て
   たのは、日本から来た一人の女性、栗山さやかさん。アフリカで活動を始めて
   10年になる。

   20代前半の頃の栗山さんは、日本のファッションの発信地である東京・渋谷の
   若者向け人気洋服店で働いていた。「当時は夜通し遊び、将来のことなど何も
   考えていなかった」と話す。しかし25歳の時、14年来の親友を乳がんで失う。
   その死をきっかけに「自分が生きていることの意味」を考え、人のために何が
   出来るかを模索し始めた。

   インドやアフリカの病院でボランティア活動を行った栗山さんは、病気の人達
   励ましながら「海外で支援活動をしていきたい」という思いを強めていく。
   その後、貧困や病気に苦しむ人が多いモザンビークの街を訪れ、日本人として
   は初めて、医師の代わりに診察、診断と投与治療が出来るモザンビークの医療
   技術師の資格を取得。


   アジャンテママで働いている女性は、病気や貧困で悩んでいた最初の生徒達。
   現在は約30人の現地スタッフが働いている。

   2009年に慈善団体「アシャンテママ」を立ち上げた。最初は貧困家庭の女性に
   医療知識を教える学校を始めた。女性たちを教えるうちに、医療知識を教える
   こと以上に、幼児期から読み書きを覚える機会を与えることが、重要だという
   ことに気づき、子供達のための教室を開設した。

   「学校は二つの目的を持つようになった。一つは、病気になっても病院に行く
   という習慣がない人たちに、病気の原因や対策を教えること。もう一つは、
   戸籍がないなどの理由で、通常の学校へ通えない子供達に基礎教育を行うこと」


   モザンビークに設立された一つ目の学校には300人の学生が通っている。


   初めて鉛筆とノートを支給され、大喜びする子どもたち


   学校のそばに畑や養豚場を作り、学校の給食の素材として活用している

   たった一人で、言葉もままならない外国で学校を運営するには、かなりの困難
   があった。現地の人々に話を聞き、貧困家庭を一軒ずつ訪問し、病気で苦しむ
   女性や、教育を受けられない子どもを学校に誘った。当初は女性向けに開講し
   たアシャンテママも、今では子供達が学ぶ貴重な場所になると同時に、女性達
   の働く場所にもなっている。その後モザンビークに2校、マラウィに1校が
   開設され、学ぶ子どもたちは510人にまで増えた。

   こうした活動は、インターネットや栗山さんの著書を通じて日本に紹介された。
   アフリカの女性や子ども達を思う真摯な行動が多くの支持を得、日本企業や個人
   からの寄付金で活動資金を賄えるようになった。
   「試行錯誤をしながらの8年間だったが、病院へ行くこと、薬を飲むことの意識
   が高まって、病気で命を落とす人たちの数が減った」

   この学校で読み書きを覚えた子供の中には、その後、公立学校に通い、クラスで
   トップクラスの成績を収めている子供達もいる。
   「今後も、貧しく生まれて、貧しいまま短い生涯を終えていく子供達を少しでも
   減らしたい」栗山さんの挑戦はこれからも続く。

  

1 件のコメント:

  1. 栗山さやかさん、彼女のウェブサイトも見ました。
    https://www.achantemama.org/892226031837

    応援してあげたいですね。チャリティーランチと同じようにモザンビークということでまたご縁を感じます。
    一人で学校を建てて、モザンビーク医療技術師国家試験に合格とは凄いですね。

    彼女の支援も見てて思ったのですが、チャリティーランチと同じ日本語だけなので、英語での紹介もできるといいなと思いました。
    モザンビークに会いに行きたいです。

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