3月は、英司さんがお忙しいのでお休みにしたのですが、、
なんとかお時間を作ってくださって、今月も無事映画会を開くことが
出来ました。
今回の映画は1950年に公開されたジャン・コクトー監督、脚本による
「オルフェ」です。
参加者9名。
いつものようにみんなでスナックを食べながら、楽しいお喋りの時間から始まり。
この映画は生と死の世界を行き来して、最後には妻との幸せな関係を取り戻す
詩人オルフェの幻想的な物語です。
物語を書いたコクトーは愛するラディゲ(肉体の悪魔の著者)を失って、
その苦しみから逃れるためアヘン中毒に陥り、そんな状態で書かれたのが
この「オルフェ」だそう。
死にとりつかれる主人公の詩人はまさにコクトー自身!
ギリシャ神話のオルフェに準えて、自身の心象風景を詩的に描いた、それで
いて重さや暗さを感じさせない、古典を自己の神話に仕上げたコクトーなら
ではの作品だと思いました。
王女(死神)と詩人オルフェ。許されない恋に身を焼く死神が毎夜オルフェ
の寝顔を見に現れ、その挙句オルフェの妻を死の世界へと連れ去ってしまう。
オルフェ自身も死神に恋をし、亡くなった妻を探しに黄泉の国へ行ったにも
関わらず、妻を忘れて死神に愛を告白する。
ここがギリシア神話の「オルフェ」と違うところですね。
夫が行方不明なので心配する妻のユリディースを慰めるアグラオニース。
このアグラオニースを演じているのが、映画を観ている時は気がつきま
せんでしたけど、ジュリエット・グレゴだったんです。びっくり!
左の写真の右が物語の進行役を務めている運転手のウルトビーズ 。
最初はこの役をジェラール・フィリップ(右の写真)にオファーして断られた
とか。実現していたらオルフェの審美的価値は飛躍的に高まったのに、、
ザンネーン!!彼のウルトビーズ見たかったです!
映画を観終わった後、皆さんから色々な意見や感想が、、
フランス映画ってあまり自分の感情を言葉に表さないんですね。それで時々
観る方は登場人物の感情に気が付かず、「え!いつの間に愛し合っていたの?」
なんて物語の進行に取り残されてしまうことが多々あります。
今回も死神と詩人のお互いの愛の告白場面に唐突感を抱いた人が多かったです。
「オルフェ」といえば鏡。鏡を通り抜けるとそこは死の世界。
オルフェは3回もこの鏡を通り抜けているのですが、それがとても自然で
76年前のこの映像技術侮るべしと思わされました。調べてみたら映画で使われた
トリックミラーの1つは、1,000ポンドの水銀の入った容器だそうです。
結構説明不足な所があって、観終わった後あれはどういうことを暗示していたの?
とか疑問が沢山出て来て、もう1、2回は観てみたいですね。
さとみさん、エイジさん、皆さん昨日も有り難うございました。 映画を観る機会が少なかった私は、昨日も皆さんのいろんな角度からの教養あふれるお話で歴史も垣間見る事も出来、楽しくも有意義な時間を過ごしました。芸術(家)は日本も含めて反骨精神旺盛な所が多いかな とも思っています。
返信削除英治さん,さとみさん,皆さん。
返信削除昨日も有意義な時間を過ごさせていただきありがとうございました。
私も順子さんと同意見で,皆様のクラシック映画や歴史に対する
知識、教養の深さに常に感銘を受けています。
近年の私は映画と言うよりはDocumentary programや、ここ十数年Nature Photographに興味を持っているのでついネイチャープログラムを観てしまいますのでクラッシク映画などとは縁がありませんでしたが,英治さんとさとみさんのお二人の協力のおかげで滅多に観ないフランス,イタリヤ,アメリカ映画のクラシックものを紹介していただいて初心者として皆様の経験話や知識を吸収させて頂き色んなことを学ばせていただいています.皆さんに感謝です。
さとみさん、エイジさん、皆さん昨日も有り難うございました。 映画を観る機会が少なかった私は、昨日も皆さんのいろんな角度からの教養あふれるお話で歴史も垣間見る事も出来、楽しくも有意義な時間を過ごしました。芸術(家)は日本も含めて反骨精神旺盛な所が多いかな とも思っています
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