今月の映画はマイケル・カーティス監督、ハンフリー・ボガード、
イングリッド・バーグマン主演の「カサブランカ」です
参加者6名
11時にスタートしたので、まずはランチ兼おやつから。
この会を発案し、全てをやって下さっていた英治さん。最近彼のスケ
ジュールが立て込んでいる上、目が悪くなってバーナビーからここま
で運転するのは無理という話を聞いて、英治さんにこれ以上ここに来
て映画会をやってくれとは頼めないなと思いました。でもこの会を辞
めてしまってはせっかく英治さんが遠い道をせっせと通って、私達の
為にみんなで観る映画の面白さを教えてくれた、今までの努力が水の
泡になる。なんとか私達だけでも続けようということで、今回幸子さ
んが頑張ってくれました。
映画が上手く映った時は本当に嬉しかったです!

映画の舞台は戦時中で、ドイツの影響下に置かれていたフランス領
カサブランカ。
ここは中立国ポルトガルに近いという地理的特殊性から、ヨーロッパ
の戦火を逃れた人々や、ポルトガル経由でアメリカへの亡命を図る
人々の中継地点となっていました。
主人公リック(ハンフリー・ボガード)の経営するクラブは秘密裡に
特殊な出国ビザを売る人、それを求める人の出会いの場にもなってい
ました。
物語はドイツ人の密輸人が殺され、彼が盗み持っていた特別の通行証
が盗まれたところから始まります。
そんな時昔の恋人イルザ(イングリット・バーグマン)と夫の反ナチ
運動の指導者ラズロ(ポール・ヘンリード)がアメリカに亡命する為
通行証を求めてリックの店に現れたのです。
![]() |
クーデンホフ・カレルギー夫妻 |
このラズロのモデルになったのが、クーデンホフ・カレルギー伯爵
(クーデンホフ・光子の次男)です。
彼はEUの思想先駆者でその実現に向けて活躍していたので、ナチに狙
われてしまったのです。ウィーンの家でパーティを催している最中、
隣人からの忠告があり、愛妻イダ・ローラン(元女優)と急遽チェコ
からハンガリー、ユーゴスラビア、北イタリアを通って無事中立国
スイスに逃亡。翌日の新聞を見たら、彼が逮捕予定者のナンバー1だ
ったそうで、ウィーンの王宮内にあった汎ヨーロッパ運動本部は閉鎖
され、通信文や関係書類、本4万冊が燃やされたという。危機一髪だ
ったそうです。
その後パリに渡り、カサブランカに行けば闇のパスポートが手に入る
と知った矢先、アメリカの大学から教授として招聘するという電報が
届き、無事アメリカに渡ることが出来たので、実際にはカサブランカ
には行かなかったようです。
今でも愛しているイルザに、夫を出国させるために通行証を譲ってく
くれと頼まれても冷たく断っていたリックでしたが、ラストで彼らを
安全に出国させることを決意。警察署長のルノーを上手く罠にかけ、
ドイツ軍に気づかれないように空港へ。
が、ルノー署長もしたたか。リックの命令に従っていると見せかけて
ドイツ軍のシュトラッサー少佐に通報。どんどん迫り来る少佐に、観
ている私達はドキドキで、つい「早く飛行機に乗って、早くー」って
心の中で叫んじゃいましたね。追いついた少佐をリックは、間一髪で
撃ち殺して、二人の乗った飛行機を無事飛び立たせます。
事の次第を全て理解したルノー署長は、ここで一転してリックを助け
るのです。彼もまた本心は反ナチだったんですね。
このルノー署長の演技なかなか良かったです。
この警察署長を演じたクロード・レインズは、英治さんによると幼い
頃から家族の家計を助けるため苦労した人だそう。また第一次世界大
戦に従軍して片目を失ったそうだけど、ルノー署長が片目だなんて分
からなかったですね。
「カサブランカ」は真珠湾攻撃のすぐ後に制作が始まり、約1年後に
一般公開されています。公開の数週間前に連合軍が北アフリカに侵
攻。当時ファシズムが拡大していて、ドイツを阻止出来るのはアメリ
カ流の自由民主主義だけだと言う、宣伝効果も狙って急遽公開された
そうです。映画の冒頭でどちらの側にもつかないという立場に固執し
ていたリックに、フェラーリが「孤立主義はもはや現実的ではない。
どちらかの側を選ぶべきだ」と忠告していましたね。
そして最後にリックは反ファシストの側を選択。素敵な結末でした。
単なるラブロマンスの物語ではないこの映画とっても面白かったで
す。ただリック役のハンフリー・ボガードは適役ではなかったという
のが見終わってからの皆の意見でした。欲を言うとリック役をもっと
ハンサムな人で女心をしっかり掴むような演技ができる俳優、例えば
ジェラール・フィリップのような俳優だったら、もっとイルザの気持
ちに寄り添えたと言うのが見終わった後の感想でした。
エージは全然お役に立ててないのに
返信削除優しい言葉をありがとうございます😊