2025年10月25日土曜日

映画「ローマの休日」           第10回映画とおやつの会


 今月の映画は1953年に公開されたウイリアム・ワイラー監督、オード
 リ・ヘップバーン、グレゴリー・ペッグ主演の「ローマの休日」で
 す。

  参加者5名 

   
 皆さん、お稲荷さんやおにぎり、おはぎや果物、お菓子を沢山持って
 来てくださったので、食べきれないくらいでした。


 映画が始まるとタイトルの前にまず出て来るのがグレゴリー・ペッグ
 とオードリ・ヘップバーンの名前。オードリ・ヘップバーンはまだ無
 名の女優だったのに、すでに有名だったグレゴリー・ペッグと同等に
 扱われているのは、グレゴリー・ペッグが彼女の才能を認めて、自分
 と同じクレジット待遇にするよう要請したからだそうです。


 物語はアン王女が欧州親善の旅に出たところから始まります。


 ロンドンを皮切りに、アムステルダム、パリそしてローマに到着。
 その間の公務のスケジュールの過酷なこと。


 その過密なスケジュールに嫌気がさし、鎮静剤を打たれた状態で宿舎
 のお城を抜け出すアン王女。この宿舎の舞台になったのが、ベネチア
 広場に程近いコロンナ宮殿で、現在でもコロンナ家の人々が住んでい
 るそうです。


 鎮静剤のためセプティミウス凱旋門の石垣で寝込んでいたアン王女と
 新聞記者ジョーが初めて出会う場面。寝込んでいる王女をほっておく
 ことも出来ずに王女とも知らず家に連れ帰ります。


 翌朝目覚めた王女はジョーに1000リラ(1ドル50セント)を借りて
 美容院に行き、髪を短く切ったり(このヘアースタイル、ヘップ
 バーンカットと呼ばれ、日本でも大流行したんですよね)、


 ジェラートを買ってスペイン階段で食べたり。たった1ドル50セント
 で髪を切ったり、ジェラートが買えるのか、みんな不思議に思ってい
 た様で、幸子さんが答えを見つけてくれました。
 当時の1ドル50セントとは今のお金に換算すると約2万円くらいだそ
 う。それだけあれば大丈夫ですね。
 

 彼女がアン王女であることに気がついたジョーは、特種を掴むために
 王女のやりたい事を叶えてあげることに。


 王女は初めてスクーターを乗り回したり(これがメチャクチャな運転
 で大変だったんですけど)、カフェでコーヒーを飲んだり、初めて
 タバコを吸ってみたり。


 ジョーが王女を「真実の口」に連れて行ったシーンも有名ですね。
 この「真実の口」の中にジョーが手を突っ込むなり絶叫し、ようやく
 腕をひっぱり出したら手がない。それを見て王女が絶叫する。
 このシーンはグレゴリー・ペッグのアイディアで、ヘップバーンに知
 らせなかったそうで、悲鳴をあげて両手で顔を覆ったのは彼女の心底
 驚いた行動だったとか。
 
 この後、いろいろなことが起こって、2人は愛し合う様になるのです
 が、王女は自分の義務と国民を思い出し元の自分の場所に帰ることを
 決意。



 また元の王女に戻り、記者会見に臨むアン王女。
 そこで初めてジョーが本当は記者であることに気づくのです。

 この映画が撮られた頃のヨーロッパって、米ソの狭間にあって国同士
 の軍事対立を回避し、国際舞台に於いて政治的発言を強化する為、
 欧州統合の機運が高まって来た時だったんです。
 だから記者からの質問もそれに関したものが多かったですね。
 彼女はそういう動きに賛同を示し、「人と人との信頼関係と同じ様に
 国同士が信頼しあっていくのが大事です」と述べています。
 これはジョーに向けた言葉でもあったんですが、この言葉今の世界中
 の政治家たちにも聞かせたいですね。
 それに対してジョーは「王女様のご信頼は決して裏切られることはな
 いしよう」と答えています。
 上の写真はジョーの言葉に対する彼女の最後の言葉です。

 この映画でオードリー・ヘップバーンは有名になりますが、少女時代
 彼女はドイツでナチスが台頭して来た為、母と共にオランダに疎開。
 が、後にオランダはナチスに占領された為息を潜めて暮らし、終戦時
 には栄養失調で餓死寸前だったとか。彼女の住んでいたアーネムから
 汽車で1時間のアムステルダムの家に隠れていた同い年の少女アンネ
 フランクはナチスに捕まり、強制収容所で命を落としています。
 この二人の明暗を分けたのは、まさに紙一重の差だったようです。
 この映画の監督ウイリアム・ワイラーも、家族をナチスに連行されて
 います。

 王女と記者の単なる恋愛映画に終わらず、とても見応えのある映画だ
 ったというのがみんなの感想でした。

2 件のコメント:

  1. 最高😊ですね😊

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  2. 私もこの映画を初めて見て、白黒の映画に興味を持ち始めて、ヘップバーンの映画を何度も何度も見て、いつか英語が話せるようになりたいと思ったきっかけになった映画です。
    さとみさんの解説で、ヘップバーンやその時代の状況を知り、今も変わらず紛争がある時代に、「人と人との信頼関係と同じ様に
     国同士が信頼しあっていくのが大事です」の言葉の重みを繋がり、伝えていく大切さを感じました。
    また私も久しぶりにローマの休日見てみたくなりまいsた。
    ありがとうございました。

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