2011年4月9日土曜日

♪ギニア・ビサウで初めての地方出張♪             朋子さんのブログから

生まれて初めての教科書を受け取り、手を叩いて喜ぶトンバリ州の2年生児童達

      この2週間は地方出張が続きました。
     始めの出張はギニア・ビサウの最南部で
     隣国ギニアの国境沿いのトンバリ州に、
     そして翌週はビサウから船で4時間行ったボラマ島に、
     どちらも小学校の教科書の無料配布と
     建設した校舎の状況確認の為に行って来ました。

     教科書配布も校舎建設もどちらも
     昨年日本政府から受けた無償援助によって
     実現されたものです。
     教科書配布は6年振りに行われたので、
     教科書を積んだトラックが校内に入ってきた途端、
     全校生徒が「リーブ ロ(本)!リーブロ!」と
     歌って踊りだして大騒ぎ!
     それまで自らの手で教科書を持ったことや、
     印刷された活字を見たことがなかった子ども達が、
     初めて教科 書を受け取った時の
     興奮振りや嬉しそうな満面の笑顔は、
     言葉で言い表せない位可愛かったです!

     また建設した校舎で学ぶ一生徒
     アミナタちゃんとお話しをしていたら、
     「私達をこんなに助けてくれた日本という国で、
     大変な災害があったと 聞いてとても悲しいです。
     日本の人達と痛みを分かち合いたい。
     神様が日本の人を助けれくれる様、
     お祈りしています。」と言ってくれました。

     同時に一緒に出 張に行った教育省の基礎教育局長にも、
     「日本はあんな大災害があったにも関わらず、
     他国を援助し続けてくれているし、
     人員も派遣し続けてくれていて、
     本当 に有難い。
     この尊い援助を我々は決して無駄にしてはいけない、
     と省内でも話している。」と言われ、
     母国の緊急時に遠方で何もできない
     もどかしさに葛藤して いた私は、
     自分が今ここにいる意義が
     やっと見出せた気がして、
     思わず目頭が熱くなりました。

         一方、今回の出張で衝撃的な事実に
     今更気付いたのですが、
     この国には公共の電気を
     供給するシステムがありません。
     赴任前の噂は本当でした・・・。
     電気が来 ているのは、
     ビサウでも大統領公邸周辺の数ブロックだけで、
     そこから一歩足を踏み出すと
     首都でも蝋燭とか自家発電だそうな。
     たまたま私は大統領公邸近くに住んでいるので、
     たまに停電はあっても
     ちゃんと電気が来ているものだと思っていた所、
     出張から帰ってきて同僚に
     「地方には電気が殆ど行ってないんだね」と 言ったら、
     「あら、今更気付いたの?
     地方どころかビサウ市内でも
     殆ど電気来てないじゃない。」と呆れられました。
     だから地方の教育行政の強化の為に
     コン ピューターなどを供給する際は、
     発電機も同時に送らなければ
     不要の長物となってしまう訳です。
     これまで赴任した国でも、
     村落部に電気がないとかあっても
     電気が不安定とか
     計画停電をしている所はありましたが、
     首都や州都にも殆ど電気が回っていないのは、
     初めてかも。あ~、びっくりした。

         赴任して1か月半。
     先週やっとモザンビークから送った荷物が届き、
     ようやくマイ枕で寝られる
     通常の生活が再開しました。
     まだまだこの国に関して学ばなきゃ いけない事や、
     教育分野で取り組まなければいけない課題は
     山積しています。
     でも今回の出張で、
     村落部の学校の素朴で素直な子ども達や
     地方の過酷な環境の中 めけずに
     授業を続ける先生達に出会え、
     「この人達の為になら、
     私もこれから2年間頑張れる!」と、
     やる気を新たにする事ができたのでした。

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