孤児院のお姉さんと生まれて間もないヴィクター君:その手はまだ柔らかくて白い。 |
前ブログで書いた慌ただしい休暇を終え、
2度の乗り換え含む50時間近くの旅を経て
先週の土曜日にビサウに戻って来ま した。
不在中の8月に雨季が更に深まった様で、
ビサウで大半の道は未舗装な為ボコボコになっており、
所により水溜りが池の様な深さになっていて通行不能状 態。
いざ帰宅すると、雨漏りに加え幾つかある網戸だけの窓から
雨が吹き込みまくっていて、かなりの惨状・・・。
結局、到着した日は終日掃除に明け暮れまし た。
そして夜になって電気を点けようとすると、どれも点きません。
「あ~、やっぱりまた停電か・・・」と、
半分諦めモードで蝋燭を灯し、
その光りを頼りに 夕飯を作って食べ、
その日は大人しく寝ました。
そして翌日。
日曜日だったので、日曜の習慣でシスター達と教会に行き、
その後孤児院にちょっと寄ってから帰宅しま
した。
暑さしのぎに扇風機を点けようとしたら、
まだ動かないので、「この停電、長いな~」と
愚痴りながらその場は扇子でやり過し、
そうこうしている内にま
た日が暮れて来ました。
それでもやっぱり電気は点かないので、
だんだん気分が滅入って来て、
ただでさえ日本での家族や友達との騒がしい毎日から
ビサウでの
静かな一人暮らしに戻った
ギャップに戸惑っているというのに、
その上物理的に暗いとそれこそ気分も暗くなってきてしまい、
「なるほど、夜が長い北欧の国で
自殺率が高いのは暗いせいかしら・・・」
などと脈絡のない事まで考えを巡らせたりしてしまいました。
暗い気持ちも1週間続いてしまった訳ですが、
1週間経った昨夜、台所でまた蝋燭を頼りに夕 飯を作っていると、
隣人のチャチャが窓越しに話かけて来ました。
「トモコ、何で最近いつも暗い中で料理しているの?
停電でもないのに。」と!
「え?だって どの電気も点かないよ。」と
目が点になっていると、
「あ~、そういえばトモコは不在だったわね。
数週間前に落雷があって、
その時全ての電球やコンセントが
爆発音たててショートしちゃったのよ。
でも電球さえ付け替えれば電気点く筈よ。」
マジ??って事は、この1週間、
停電でもないのに
私は暗闇の中で生活して いたの??
しかも気分まで落ち込んじゃって?
しばらく唖然とした後、
あまりに自分が滑稽で思わず笑い出してしまいました。
そして今日。
また日曜だったので、教会の後孤児院に行ったら、
先週会えなかった子達も居て、
喜んで抱き着いて来てくれたので、
私も久々に幸せ な気持ちに浸っていると、
今度は孤児院のお姉さんが「トモコ、見て!」と
生まれて間もない赤ちゃんを
プレゼントの様に大事に抱いて持って来てくれました。
出産時にお母さんが亡くなってしまったそう。
まだ目も開けられない赤ちゃんです。
お母さんが自分の命と引き換えにこの世に届けた赤ちゃんの、
そのまだ小さ くて柔らかい手を握っていたら、
「やっぱりビサウに帰ってきて良かった・・・」
と何故かやっと思えてきました。
で、孤児院からの帰り道に電球を何個も買っ て、
帰宅後早速全部付け替えると、
案の定点きました!
すぐまたショートしてしまったり、
反対に消えなくなってしまったのもあるけど、
とりあえずビサウの我 が家にも漸く灯りが戻ったのでした。
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