奥村千穂さんは半年間の講習を受けて試験に合格し、
昨年5月からボランティアの搬送スタッフとして
救急車に乗っている。
ボランティア活動が盛んなイタリアでは、
災害救助など様々な分野で
専門技術を身につけたボランティア無償で働いている。
そんな奥村さんに出動の連絡が。
その日何があったか彼女のブログから。
フィレンツェで医療通訳者の仕事をしている奥村千穂さん(48)は、半年間の講習を受けて試験に合格し、昨年5月からボランティアの搬送スタッフとして救急車に乗っている。ボランティア活動が盛んなイタリアでは、災害救助など様々な分野で専門技能を身につけたボランティアが、無償で働いている。
フィレンツェで医療通訳者の仕事をしている奥村千穂さん(48)は、半年間の講習を受けて試験に合格し、昨年5月からボランティアの搬送スタッフとして救急車に乗っている。ボランティア活動が盛んなイタリアでは、災害救助など様々な分野で専門技能を身につけたボランティアが、無償で働いている
フィレンツェで医療通訳者の仕事をしている奥村千穂さん(48)は、半年間の講習を受けて試験に合格し、昨年5月からボランティアの搬送スタッフとして救急車に乗っている。ボランティア活動が盛んなイタリアでは、災害救助など様々な分野で専門技能を身につけたボランティアが、無償で働いている。
フィレンツェで医療通訳者の仕事をしている奥村千穂さん(48)は、半年間の講習を受けて試験に合格し、昨年5月からボランティアの搬送スタッフとして救急車に乗っている。ボランティア活動が盛んなイタリアでは、災害救助など様々な分野で専門技能を身につけたボランティアが、無償で働いてい
昨日はパンとピザを焼くために、
10キロの生地を仕込んでいました。
昼
過ぎに、救急センターから電話があり、
「今日、多分搬送の要請があると思うんだけど行ける?」
と言われ、生地でベトベトの手でオッケーと返事。
まあ、正式
に出動命令が出るまで時間がかかるし、
重症患者のケースばかりなので、
本当に搬送できるかはギリギリにならないと分かりません。
前回みたいにセンターに
行って何時間も待つのは嫌なので、
「そしたら決まったら電話してね。
着替えて30分で行くから」と伝えておきました。
夕方まで連絡がないから、
きっと今日はないんだなって思いながら
呑気にラーラと森を散歩をしてたら、
携帯が鳴り、出動要請が入る!
10キロのパン生地はアントネッロに任せて(涙)、センターへ。
ドライバーはベテランのRさん。
経験豊かでエボラ出血熱の時の
感染症搬送トレーニングの経験もあるので、
とっても頼りになる相棒です。
今
回のミッションはフィレンツェ周辺の
センターから集まった3台の救急車で、
ロンバルディア州クレモナの救急病院へ行き、
そこから2台はトリエステへ、
私た
ちの一台はピエモンテ州クーネオの病院へ、
合計3人の患者さんを運ぶというもの。
医師2人、ドライバー3人、救急隊員3人、
看護師3人の合計11人のチー
ムです。
私たちの救急車には、ドライバーと私の他に、
ドクターと看護師が乗り込みました。
行
きは相変わらず皆ユルい(笑)。
オヤツを買い込み、ステレオで音楽を鳴らしながら、
もぐもぐタイム。
今回のドクターが最高に面白い人で、
サービスエリアで
バナナを一房買って、
皆に配りまくり、食べ終わったら
「明日、僕、朝番だからね。
病院に着いたら起こして」って言って、
患者さんのストレッチャーで横に
なってグースカ寝る
(患者かっ?!)。かなりのツワモノ。
最後のサービスエリアでコーヒー&トイレ休憩。
この後は、搬送が完全に終わるまで防護服を着ているので、
5〜6時間トイレも食事も出来ません。
サービスエリ
アでは、巡回の警官がいるのみ。
「この辺りでは、もう死ぬ人は皆死んでしまった。
今怖いのは、地域の中での感染じゃなくて、
外から来る人が再びウイルスを
持ってくることだよ」
って複雑な顔で言っていました。
皆、少しずつ表情が厳しくなってくる。
警官は親切に病院まで私たちを先導してくれました。
病
院に着いたら、救急車の中で着替え。
今回は全員陽性患者なので、完全防備で挑みます。
手袋3枚、つま先までのフードつき防護服、
ゴーグル、感染症指定のマ
スク。
足首と袖はテープで固定。
なぜ手袋を3枚にするのかは、
実際にやってみて後でわかったのですが、
患者さんを触るたびに、一番上の手袋を捨てて、
消毒
液で手を消毒し、新しい手袋をつけるから。
ゴーグルをしていると6時間後には
パンダみたいに目の周りに跡がくっきりつきます(涙)。
防護服はかなり暑いの
で、
下はTシャツ1枚。慣れると結構動ける。
迎えに来てくれた病院の看護師が
集中治療室に案内して
くれる時、
病院の現状を話してくれました。
20床程の集中治療室は
全てコロナ陽性の患者で埋まっています。
皆、男女20代から50代の比較的若い人ばか
り。
更に20人の自発呼吸が出来る患者が酸素吸入を受けています。
ネットやテレビのニュースで報じられている通り、
60代以上の呼吸不全の人に付ける人工
呼吸器が
足りていないのです。
今出来ることは、他の重症患者のために、
動かせる状態の患者を
まだベッド数に空きがある別の病院に動かすこと。
一人運ぶと、
その人だけでなく、
もう一人の命を救う事になります。
動かせる状態といっても、自発呼吸ができず、
口から挿入した管を通じて肺に直接酸素を送り込む
人工呼吸器をつけているので、
薬で敢えて鎮静されていて意識がない患者ばかりです。
日本のニュースでイタ
リアの病院の様子が
報道されているようですが、
地獄とか戦場とか言われているかもしれません
(日本のワイドショーはそういう
センセーショナルな言葉を選び
ますよね)。
実際のクレモナの病院の集中治療室は
静かな戦場という言葉が合っていると思います。
その中で、医療スタッフが懸命に
救える命を救おうとしてい
ます。
定年退職をしたドクター、
別の地域の看護師も応援に来ているそうです。
彼らに対してのリスペクトの為にも、
私は不安を煽るようなスキャンダラスな情報に
寄ってたかる事はしたくないと思います。
搬送中、救急車の中では、
モニターでバイタルサインをチェックしながら、
投与薬の量を調整します。
4時間の移動中、
陽性患者と同じ空間の中に居て大丈夫なの?
と思われるかもしれません。
実際には、経口挿管タイプの人工呼吸器の場合、
鎮静剤を投与され、患
者は完全に眠っているので、
咳やくしゃみをしたり、話したりする事がありません。
勿論、一回、患者に触れたら、
毎回消毒をして手袋を付け替えるなど、
最大の感染予防は行なっていて、
事故感染の危険性はかなり低いです。
搬送先のクーネオの病院は
コロナ陽
性患者の受け入れにとても慣れていて、
専用の出入り口、エレベーター、廊下があります。
彼らだって、ベッド数に限りがあるはずなのに、
搬送患者を受け入れ
られる時は受け入れる。
私が実際に見た限り、イタリアの医療現場では、
華々しいエピソードや、地獄絵みたいなものはありません。
静かに、皆ができることを
淡々とこなしています。
クレモナの病院の静かな夜の集中治療室で見た光景は、
イメージしていたもの
とは違いました。
一般的には重症化するのは
既往症がある高齢者だと言われていますが、
ここで戦っている人たちは、
もともと既往症があったのではなく、
健康
だった人ばかりです。
病院のベッドで病気と戦っている彼らの顔が
私の家族や知人たちの顔と重なり、
この病気を何とかして抑えこまなくては、
この状況を他の
街で起こさせてはいけないと思うのです。
だからこそ、イタリア中で行われている
封鎖政策をしっかり守って、それぞれが感染しない、
うつさないようにように
する事、
出来るだけ感染のピークが一気に来ないように、
数を抑えることを目指さなくてはいけないのです。
コロナについてはネットで沢山の情報が流れていて、
何を信じて良いのかわからないし、
自分は何をしたら良いのかわからないかもしれません。
風邪をひいたり熱があったら出歩かない、
移動制限がある地域では、きちんとルールを守る、
手洗いをしっかりする・・・
こうしたことを皆が守れば、
きっと中国で起こっているように、
いつかは感染が終息することでしょう。
それまで一緒に頑張りましょう。
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