2024年8月26日月曜日

Sunflower Festival に行って来ました。    116回トランスリンクの旅

   8月と言えばひまわりが一斉に咲き出す時期。
   このひまわり、北アメリカが原産地なんですね。このアメリカ生まれのヒマワリ
   が1500年頃にスペインの探検家によってヨーロッパにもたらされ、最大の栽培地
   になったのがロシアです。このひまわりをロシアに持ち込んだのが
   ピョートル大帝だそうです。
  
   でも映画「ひまわり」で撮影されたひまわり畑はロシアではなくウクライナ
   だったそうで、ウクライナの人にとっては、ひまわりは国花であり、今ロシア
   の軍事侵攻に対する抵抗の象徴にもなっているとか。

   今月の旅はそんな歴史的因縁を持つひまわりを見に、今年もStevston のSunflower
    Festival に行って来ました。
   
   参加者は4人。集合は10時半、チケットブースの前。

    このFestival に来る度にチケットブースや入り口の位置が違っていて、いつも
   びっくりするのですが、今回も違っていました。


   まずは小さなTrain に乗って園内を一周してまわりました。


   一周した後ワゴンに乗ってひまわりの所まで。


   ひまわりを見てまわる前に、まずはドーナツで腹ごしらえ。
   このドーナツ揚げたてで、美味しかったー!


   今年はダリアもひまわりに負けず沢山植えられていました。


   恐竜が一段とパワーアップしていました。
   20エーカーもある敷地になんと90種以上の種類のひまわりがびっしりと植えられ
   ているのですから見応えがありました。

   このひまわり、太陽の動きを追うと言われていますが、調べてみると実際に太陽
   を追って動くのは蕾をつける前までで、花を咲かせると東に向きを固定して動か
   無くなるんだそうです。確かにみんな同じ方を向いていました。


   ひまわりを見終わった後はCountry Farm Market へ。
   ここでみんな、今トラックで運ばれてきた採り立てのとうもろこしと黄色い西瓜を
   ゲット。このとうもろこし甘くて最高に美味しかったです!

   ランチのレストランに向かった時はもう2時すぎ。
   レストランはPho 10 です。

   上の写真にPhoも1つ注文。みんなでシェアして食べるのに十分な量でしたし、
   お味も良かったです!


   食後はSteveston HWY 沿いにあるお寺観音寺へ蓮を見に。
   幸運なことに満開の蓮の花と蕾、それに果託(かたく)まで見れました。
   この花の中心部に出来る果託は蜂の巣に似ているので「はちの巣」となり、
   「はす」と呼ばれるようになったという説もあるそうです。


   最後はいつものようにティータイムです。
   
   今回は天気にも恵まれ、見所満載の旅で歩行数も1万歩を超えていました。
   私が集合時間に30分も遅れてしまって、皆さんにご迷惑をおかけした以外は
   全てスムーズに行き、楽しい旅となりました。
   参加してくださった3人に感謝です。
   
   

2024年8月21日水曜日

干ばつや気候変動で砂漠化するアフリカを都市のゴミで緑化   JSTORIESから

   都市部で捨てられたゴミを砂漠に集め、ゴミの力で農耕や牧畜ができる緑地に
   変えるプロジェクトが西アフリカのニジェールで広がっている。
   現地でプロジェクトを手掛けているのは京都大学の研究チーム。
   砂漠の緑化は、貧困に苦しむ地元の人たちに新たな収入をもたらすだけでなく、
   深刻な地域紛争の火種になっている農耕民と牧畜民の対立を解消する対策として
   期待されている。

   砂漠の緑化にゴミを使用する発想は、大山教授が農村部に住み込んで研究を
   始めた2000年ごろ、台所で出たゴミを砂漠に捨てる住民の姿から着想を得た
   という。     大山修一教授 提供

   サハラ砂漠の南に広がるニジェールで都市部のゴミを使った砂漠緑化に取り
   組んでいるのは京都大学でアフリカ研究を専門にしている大山修一教授ら。
   大山教授は現地での農村調査を通して人々の環境認識、自然資源の利用、社会組織
   などを分析し、問題の解決に取り組んでいる。
   同教授によるとニジェールが位置するサヘル地域では、旱魃や気候変動の影響を
   受け、1970年台から砂漠化が大きな問題となってきた。

   現地での作業は、フェンスで囲った荒廃地に都市から運んできた家庭ゴミを撒き、
   上から砂を被せる。ゴミは分解されて養分となり、ゴミの中に含まれている様々
   な植物の種子も発芽する。雨季になると、みるみるうちに植物が生い茂ってくる
   という。


   砂漠に生息するシロアリも緑化に重要な役割を演じる。
   シロアリの作る蟻塚から半径250m〜300m以内にゴミを撒くと、シロアリは
   それを餌にするために地中を掘ってゴミにたどり着き、その過程でコンク
   リートのように硬くなった土壌が地中から耕されていく。

   緑化した場所では、牛や山羊などの家畜がゴミから育った植物を餌として
   育ち、糞尿は肥料となって土壌を豊かにする、という好循環が生まれている。

   
   地上4,5cm程度の厚さのゴミを撒くとおよそ3年で地下15cmもの土が耕され
   る。1cmから2cmあれば育つ砂漠の植物にとって15cmの深さの土壌は有り
   余る程の生育環境になる。   大山修一教授 提供

   大山教授によると、緑化が進んだ場所は当初、家畜の餌場にする方針だったが、
   一年目にはゴミに含まれる種子が発芽し、住民が食糧にできる作物が実った為、
   村人が収穫した後家畜を入れるようにした。これによって乾燥した荒廃地は
   人々にとっても家畜にとっても、食料を生み出す場所に変わったという。

   ニジェールやナイジェリアといったサヘル地帯の国々では、家畜をめぐる
   些細なトラブルで、農耕民と牧畜民との間で紛争が煩雑に起こっている。
   砂漠の緑化によって家畜が畑を荒らすことがなくなり、牧畜民の放牧と農耕が
   共存できる状況が広がれば、人々の衝突が減り、平和な社会が作られる、
   と大山教授は期待する。
   
 

2024年8月18日日曜日

Garlic Festival とPlay Ground          115回トランスリンクの旅

   Terra Nova Rural Park の第二弾として、Shearing Farmで行われたGaric Festival 
   に参加して来ました。
   参加者大人5人と子供5人(宗一郎くん、まさくん、ワイちゃん、花ちゃん
   はるきくん)

   Festival は10時オープンでしたが、パーキング場のことを考えて9時半に集合。
   

   子供たちの喜びそうな草に覆われた細い道を通ってFestival 会場へ。


   途中で見つけたPinapple Weed 。
   この草、雑草扱いされていますが、お宝なんですよ。
   調べたらこの花は、お茶にして飲むと消化を助け、便秘にも良く、解熱作用
   もあり、睡眠も促進する万能薬とありました。
   またこのお茶を湿疹、虫刺され、皺の部分に塗っても効き目があるみたい。
   この皺に効くというのがミソ!私には絶対必要なので家で試してみますね。
   ただ重度のアレルギー反応や皮膚炎、胃の不調などの副作用もあるそうなので、
   お茶にして飲む場合は沢山飲まないように気を付けたほうが良さそうです。


   下の写真のように6羽のマガモが橋のすぐそばで眠っていました。


   これは宗一郎くんが撮ってくれた写真でまるで絵のようです。


   会場に到着しました。


   まずは子供たちが興味を持ちそうなブースが続きます。


   子供たちはここで簡単な質問に答えて、Hanging Bird Food をゲット!


   ワイちゃんは塗り絵を。


   宗一郎くんとマサくんはゲームを。



   今日のメインイベントです。


   葡萄棚の下で、子供たちはストロベリーアイスクリームを。私たち大人は珍しい
   ガーリックアイスクリーム試してみました。
   なかなか美味しかったですよ。

   ガーリックはもちろん、色々な野菜や果物を売るブースが沢山出ていました。

   Festival を楽しんだ後は、playgroundへ移動。


   ここでしょうこさん、花ちゃん、はるきくんと合流しました。


   子供達、最初はお互いに緊張してかギクシャクしていましたが、Play Ground 
   に来た頃にはすっかり慣れて、仲良く遊んでいました。
   特にこの木登りが気に入ったみたいです。

   Festival の実演で見た猛禽類は、BC州に31種類も生息しているんだそうです。
   この猛禽類が生息しているということは、自然が守られていて、残留性の有害
   物資であまり汚染されていないという証拠みたいです。
   自然環境を守ることは猛禽類だけでなく、私達人間が健全に生きて行く為にも
   必要なことですね。

   このFestivalは村のお祭りといった感じの素朴さと、ゆったりした感じが
   心地良く、子供も、大人も楽しめてとても良かったです。


  

2024年8月15日木曜日

古代ペルシャの知恵を借りた気候対策!

カルトゥ➖ヤ・カナート パイロット プロジェクトの水道橋

   2022 年の夏、イギリスのロンドンでは、猛暑により鉄道の線路や空港の滑走路
   が溶けました。2023 年 7月、ドイツ人はうだるような暑さから逃れるために
   昼寝を検討し始めました。


   スペイン南部の都市セビリアでも2年越しで気温が 40 度を超え、その熱波は
   非常に強烈で、耐えられないほどだったそうです。
   そのためセビリヤの小さな研究グループは、エアコンを使わずに、涼しく
   するにはどうしたら良いかを模索し始めた結果、大昔に暑さとともに生きる
   ことを学んだ古代中東文化からインスピレーションを得て、カナートに目を
   つけたのです。
   
   「人間と自然の特別な関係」
   マジド・ラバフ・カネイキ氏は、3,000年前の地下水路技術「カナート」を現代
   に持ち込むのに尽力している数少ない専門家の1人です。

   つるはしとシャベルを使って手作業で建設された初期のカナートトンネルは、
   中国、オマーン、アラブ首長国連邦、アフガニスタンに出現しました。
   しかし、学者たちは、最初のカナートは1千年紀初頭にペルシャで生まれ、
   その後世界中の乾燥地帯に広がったと推定しています。

   この古代のシステムは、砂漠の地表から20~200メートル下にある地下水路
   のネットワークで構成されており、高所から低所へ水を輸送。
   わずかな傾斜地に建設された水路は、重力を利用して水を輸送。
   井戸のような一連の垂直シャフトにより、アクセスとメンテナンスが可能に
   なっています。


   上から見ると、このシステムは砂漠に曲がりくねって並んだ何千もの蟻塚の
   ように見えます。本当にすごいのは、水が運河を通って流れる前に地下で
   集められていることです。


   上の二つの写真は私が幸子さんたちと一緒にモロッコを旅行した時、タクシーで
   ワルザザートに着く前に見学したカナート(モロッコではジョフル)です。
   確かあの時はトゥアレグの人たちが管理していました。
   サハラ砂漠の下に水量豊かな地下水があるなんて想像もしていませんでした。


   イランのケルマーン近郊のシャフィアバード村にあるカナート(地下水路)。
   イランでは紀元前1千年紀からカナートが水供給に使われてきたそうです。

   古代のカナートシステムは砂漠地帯での灌漑を可能にし、農業の繁栄を促し、
   コミュニティの協力を促進しました。このシステムは現代のダムよりも
   持続可能であり、気候変動対策のための一つの解決策にもなっているようです。

   古いものを新しくする方法
   中東の乾燥地帯から数千キロ、中国からはさらに遠く離れた場所で、科学者の
   ホセ・サンチェス・ラモスとセルバンド・アルバレスがカナートの概念を利用
   してスペインのセビリア市にオアシスを作り出しています。

   気温上昇の解決策を見つける市の取り組みの一環として、ラモスと
   アルバレスは、エネルギーを大量に消費する技術に頼らずに屋外スペースの
   温度を下げる実験を行う場所を選択する機会を与えられました。

   その選択肢の 1 つは、セビリア中心部の北西にある
   ラ・イスラ・デ・ラ・カルトゥーハ地区でした。この地区はかつて 1992 年の
   セビリア博覧会の会場であり、4,100 万人の来場者を集めました。
   市は、このスペースを都市化するためのいくつかの試みを行ってきましたが、
   現在では、生い茂った低木、ひび割れた歩道、老朽化し​​たモノレール駅など、
   ほとんどが放棄されたような土地になっているそうです。

   しかし、この地域には 15,000 人を雇用する研究開発施設、サッカースタジアム、
   アンダルシア国際大学 (UNIA) があり、万博で使われていたが今は廃墟のように
   なった円形劇場が、ラモスとアルバレスの仕事の中心地となっています。

カルトゥーヤ・カナート パイロット プロジェクトの講堂

   CartujaQanat と名付けられたこのプロジェクトは、ペルシャのカナート システム
   をモデルにしており、ラ・ イスラ・ デ ラ・ カルトゥハ内のサッカー場 2 つ分
   の広さの空間の地表温度を 6 ~ 7 度下げることを目指しています。

カルトゥーヤ・カナート
   
   カルトゥーヤ・カナートでは、地下20メートルの深さに格子状に水道管が
   引かれています。水路の水は循環しており、夜間に地下のタンクで冷やされ、
   昼間にはソーラーパネルの電気ポンプで押し出されます。
   冷たい水が日中にパイプを通ることで、その周囲の空気は冷やされ、その空気
   をファンを使って建物の中に送っています。
   屋外では、冷たい水がミスト状に放出され、気温を下げてくれるのです。

   この構造は大規模ですが、運用にかかるエネルギー量は、化石燃料を燃やして
   エアコンを使い続けるより少ないそうです。このプロジェクトは実験的なもの
   で、欧州連合(EU)の資金を得て、500万ユーロ(約8億6000万円)の予算を
   かけて作られました。
   

   他にも気温を下げるために内壁に木が植えられています。。その木の
   蒸散作用(葉から出る余分な水分が空気中に蒸発する)によって気温を
   下げています。
   また木々は屋外に日陰を作り、屋根は熱を反射する白色に塗られています。

   クリエイターたちは、このスペースが大学生や近隣の企業で働く人々の
   交流の場となることを期待しています。
   「このプロジェクトは、通りに活気を取り戻すことを目指しています」と
   ラモス氏は言っています。「また真夏には避難所として利用でき、屋外活動が
   継続できるようになります」。

   素晴らしい未来
   ラモスとアルバレスは、ラモスがセビリア大学でアルバレスの生徒だった 30 年
   以上前に出会いました。

バードギール(採風塔)

   それ以来、彼らはセビーリャの涼しさを保つために協力してきました。
   1990年代には、ペルシャの風を捕らえるバードギールと呼ばれる塔から
   ヒントを得て、セビーリャの通り沿いに風洞を作りました。


   バードギールは、風を捕らえて下向きに導くための上部の開口部を備えた塔です。
   風が日干しレンガの隙間から入ると塔の中は対角線上に仕切りがあり、風の道は
   4つに分かれています。4つの面から入った風はそのまま逃げてしまうことなく、
   用意された4つの道で下に向かい、貯水槽を通って冷たい風となって送風口から
   家の中に入るようになっています。

   彼らはこのように、しばしば他の国々、特に何世紀にもわたって猛暑に対処
   してきた国々の知恵から解決策を見つけてきているのだそうです。

   たとえば、現代のモロッコの建物は、自然光を取り入れながら冷却効果を
   最大限に高める北向きの大きな窓と南向きの小さな窓を含むように設計
   されています。米国のロサンゼルスとインドのアーメダバードでは、太陽光を
   最大98.1%反射し、紫外線を吸収する新しいタイプの白い塗料を使用しており、
   都市の暑さに対抗し、エネルギー消費を削減するのに役立っています。
   白い反射塗料は、モロッコとギリシャで何世紀にもわたって使用されており、
   有名な都市の1つが「カサブランカ」(白い家)ですね。

   「アラブ世界がそれをしたのは、彼らには… 移動するか死ぬか、建物を
   冷やす何かを見つけるか、どちらかが必要だったからです。そして彼らは
   建物を冷やす方法を見つけました」とアルバレスは言っています。
   
   セビリアでの取り組みは、数千年前に建設されたシステムを現代風に再考
   したものです。

ザラックのカナート

   イラン当局は近年、ユネスコの世界遺産となったザラック(Zarch )にある
   約3000年前に建設されたとされる世界最長・最古のカナートの復元を目指
   しています。

   大量の電力を消費するエアコンとは違い、費用はかからず二酸化炭素も排出
   しないカナートと採風塔の換気設備が、近い将来世界中で導入されるように
   なるかもしれませんね。